皆さんは映画館に足を運んでいますか?
私は、映画館でしか味わえない興奮を得るために毎月通っています。そんな映画館の上映権使用料を巡り二つの業界が対立しています。
映画にも書籍や音楽などと同様に著作者の権利を守る「上映権」というものが定められています。その権利は、制作会社や原作者、脚本家、作中に使用される音楽の作詞・作曲家らが所有しています。そのために上映する劇場側は、「上映権使用料」を支払う必要があります。
その中でも音楽に関する使用料は、映画館運営事業者の団体である全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が日本音楽著作権協会(JASRAC)に支払っているそうです。しかし、日本映画と海外映画の料金設定は別扱いになっています。日本映画の場合は、1曲当たりが「映画の録音使用料の5%×同時上映最大スクリーン数」、対する海外映画は一律18万円に固定されています。
そうした中でJASRAC側が欧州諸国を参考に「興行収入の1~2パーセント」への変更を求めていますが、全興連は「経営の存立基盤が揺らぐ」との理由から最大で25万円となる対案を出しています。しかし、JASRAC案では「アナと雪の女王」のように大ヒットした場合数億円もの料金になるため、なかなか歩合制を譲れないようです。
実際、今日の朝刊を手にするまでこういった内情を知らないで映画を見ていた私からすると驚きの新事実でした。感動をより深めてくれる映画音楽の作曲家に、その貢献の対価である報酬が適切に支払われるのは大切なことだと感じます。一方で、一般のファンの目でみれば、この値上げが日本であまり注目されていない映画の上映館数の減少や鑑賞料金の値上げに繋がらないかなと心配する気持ちもあります。
映画館と制作者。この両者のバランスが上手く取れたストーリーの展開が待ち望まれます。
参考記事:
6日付 朝日新聞朝刊(12版) 27面(文化・文芸)「上映権使用料 どう決着?」