武田信玄、坂本龍馬、ガリレオ・ガリレイ――どの名前も聞いたことのある有名な歴史上の人物です。しかしなんと彼らの名を高校教科書から削除しようという動きがあるそうです。
高校と大学の教員らで作る高大連携歴史教育研究会が、大学入試で問う用語を半減すべきであるという案をまとめました。主な理由は二つです。まず、現在の高校の主要な歴史教科書には世界史B、日本史Bともに約3400~3800語が掲載されていて、1950年代の3倍近くになっているという用語の多さ。さらに「記憶力よりも思考力や表現力を重視する」という入試の変化があります。これは大学入試センター試験の後継として2020年度から始まる大学入学共通テストでもうたわれている方針です。
確かに学校の授業だけで収まりきっていないというのは事実です。私自身、教科書全体の半分も終わらず、入試のために自力で勉強する量が非常に多く、とても大変でした。このような経験をされている方は少なくないはずです。
馴染みのある名前が教科書から消えていってしまうこと自体はとても寂しいことです。しかし、授業できちんと教えきれていない部分が試験に出ているという現状がおかしいという考え方も頷けます。勉強のために塾や予備校などに頼り切りになってしまうと、どうしても「高校で習ったことが大学受験の問題に出てくる」という当たり前な認識が薄れがちになってしまいますが、「高校教育ありきの大学受験」という前提を改めて確認したいものです。
参考記事
14日付朝日新聞朝刊(京都14版)36面(社会)「高校教科書から削除?」