「昭和」と聞くとなんだか懐かしい気持ちになるのは私だけでしょうか。以前、両親に「昭和生まれって時代を感じる響きだよね」と冗談交じりに言ったのを覚えています。そんな私も、もうすぐ「平成って懐かしい」と言われるようになるのでしょうか。
天皇陛下が退位の意向をにじませたおことばを語られてから、はや1年が過ぎました。朝日新聞によれば、天皇陛下の退位日は2019年3月31日。翌4月1日に現皇太子さまが新天皇に即位し、同時に新元号が施行される方向のようです。平成は、あと1年半ほどで幕を閉じます。
昭和から平成に変わったとき、私はまだこの世に生を受けていません。テレビに時折流れるのは、「平成おじさん」こと当時の小渕恵三官房長官が「平成」と書かれた紙を手に、新元号を発表する姿。昭和天皇が亡くなった後、有識者で構成された「元号に関する懇談会」の中で提示されていた「正化」「修文」「平成」の3案の中から選ばれたそうです。
今回が当時と大きく異なるのは、今上天皇が健在なうちに退位し、特例法によって天皇の地位が移るということ。退位は江戸時代の光格天皇以降およそ200年ぶりであり、新たに協議し、決定すべき事項がまだまだたくさんあるようです。とは言っても、代替わりまでには、短いながらも準備期間があります。
天皇退位が騒がれているなか、今日は皇后さまの83歳の誕生日でした。これまで母のような温かさで国民を見守り、寄り添い、支え続けてこられた皇后さま。天皇の妻として陛下に寄り添った日々を振り返ると同時に、その退位について
「(陛下が退位後)しばらくの安息の日々をお持ちになれるということに計りしれぬ大きな安らぎを覚える」
と語っています。天皇・皇后両陛下が表舞台から退いてしまうのは寂しいですが、これまでの忙しかったお務めの日々から解放されて、ゆっくりと過ごしていただきたいですね。
新元号は、歴史で習った最初の元号「大化の改新」から数えて248番目。次はどんな言葉が選ばれるのでしょうか。新天皇とともに始まる時代の幕開けが今から待ち遠しいです。
参考記事:
10日付 朝日新聞朝刊(東京14版)1面「天皇陛下退位 19年3月末」
関連記事3、37面
同日付 日本経済新聞(東京13版)38面(社会)「陛下退位に「安らぎ」」
同日付 読売新聞(東京14版)1面「退位法成立「大きな安らぎ」」
関連記事35、38面
2017年6月10日付 あらたにす「象徴天皇の在り方を考える」