スマホをいじっていると、「〇〇さんにフォローされました」とSNSの通知が来ました。写真をみると、きれいな女性が。誰だろうと思い、胸を躍らせプロフィールを見ると「学生起業家」や「一緒にビジネスしましょう」の言葉。最後に「DM(ダイレクトメッセージ)ください」で締めくくられています。フォロワーの一覧が怪しげなアカウントばかりになっていて、寂しくなりながらSNSを閉じます。
その怪しげなアカウントの正体が明らかになりました。
今日の読売新聞くらし面に「マルチ取引 学生に甘いワナ」の見出しがあります。記事によると、若者の間でマルチ取引の被害が相次いでいて、その要因の一つがSNSです。被害にあった学生は「1人紹介すれば12万円稼げる。フェイスブックで友達を誘えば」と勧誘されたそうです。
そういったアカウントを覗いてみると、夜景を眺めながらディナーを楽しんでいる様子や海外を旅行している写真などが投稿されています。一見すれば、充実した人生を謳歌しているように感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし、こんな手法にひっかかってしまうのかと思ってしまうのが正直な印象です。他人の生活ぶりを羨ましく思い、自分だって遊びたい。そのためにはお金が欲しい、と思わせる手法を冷静にみれば、「なんとも都合のいい話」だと分かりそうなものです。
足りないものを補いたいと思うことは決して悪いことではありません。ならば、まずは騙されないための知識を補うこと。そのうえで自分の生活に本当に足りないもの、必要なものが何なのかを、じっくりと考えることが必要でしょう。決して、目先のお金やSNSの繋がりではないと思います。
参考記事
13日付 読売新聞 12版 15面(くらし面)「マルチ取引 学生に甘いワナ」