中古品の秘めるパワー

 スーパーなどでたまに見かける「ワケあり商品」のセール。形が悪かったり極端に大きかったり小さかったりする野菜を、大きく割り引いて販売する光景はよく見ます。

 筆者はそうした生鮮食品のワケありセールしか知りませんでしたが、実際は幅広い分野で取引が活発になっているようです。例えば自動車。1996年創業のタウ(さいたま市)は全損の車を含めて事故車を買い取り、10万を超える登録会員に向けて販売しています。といっても、実際に事故車を買い取るのは日本人ではなく海外の会員のようです。海外では品質の高さから日本車の人気が高く、事故車も例外ではないとのことです。

 タウの宮本社長曰く、95%の車が48時間以内に落札されるとのこと。事故車のまま輸出すると関税が安くなり修理費用の安い海外で改修するようです。

 ワケあり品以外にも、中古品の再販売を行うことでリユース(再利用)市場を活性化する動きは家電やパソコン、アパレルなどにも広がっています。どんな商品でも捨ててしまえば価値はゼロですが、その商品を探している人にとっては一定の価値があるものです。単に壊れたからといって処分するのではなくリユースを促し、ひいては「大量生産・大量消費」の世の中となった日本と、イイものを買いたくても新品だと高くて手の届かない海外の国との橋渡し役に。中古品を取り扱う企業の果たす役割は大きくなりそうです。また、「日本の製品は中古でも品質がいいね」と海外の人に認知してもらえるという副産物も期待したいところです。

参考記事:

4日付 日本経済新聞朝刊14版 9面(新興・中小企業)「「ワケあり品」再び市場に スタートアップが一役」