「食」の面での「おもてなし」

豚肉などのハラームな食材、つまりイスラム教の教義のもとで禁じられているもの、の使用はもちろん許されず、製造過程でもそれらが混ざったり接触したりすることは許されない。

  以前、イスラム文化に関する講義を受けた際に教義のもとで許されていることを示す「ハラール認証」を受ける難しさに驚いたことがあります。製造過程で、少し接触しただけでも認証が受けられないため、ハラール商品を製造するには他の食品の工程と分ける必要があります。飲食店では、別に調理器具を分けたり、戒律に従って解体された肉を使ったりする必要があります。

  私の大学の学食にはケバブがあり、ケバブコーナーには認可を受けたことを示すマークが掲げられています。しかし、イスラム教徒が安心して選ぶことができるのがそのマークがある料理だけだと考えると、学食の大半の料理は選ぶことができなくなってしまいます。

  安心して食べられる料理の範囲が広がることはどれほどの喜びをもたらすでしょうか。

  訪日外国人客の増加を受け、ハラール食への対応が広がっています。たこ焼きやしゃぶしゃぶ、懐石料理などでイスラム教徒が安心して食べられるように工夫し提供する店が増えています。そして、そうした店は訪れる客の人数が増えたそうです。

  旅行の楽しみの一つとして、食事は欠かせません。また、その土地の文化を強く感じることができるのも食であると思います。

  訪れるすべての人が楽しむことができる場所を作ることを考えると、宗教の違いに配慮することは不可欠です。食の面での「おもてなし」がこれからも広がっていってほしいと思います。

 参考記事:

11日付 読売新聞朝刊(大阪14版)35面(社会)「浪速の味 ハラールで」