加熱式たばこ、世界進出なるか

 コンビニエンスストアでアルバイトをしてきたなかで、今でも鮮烈に覚えていることがあります。

在庫の確認や予約の電話が殺到し、入荷して並べた傍から買われてしまいます。いつも「品切れ」という紙を貼っていました。加熱式たばこ「アイコス」が売り出された時の様子です。この上陸から約2年の時を経て、今度は加熱式たばこが世界に打って出ます。

 火を使わない製品の将来性に目をつけた世界の大手メーカーが相次ぎ増産に踏み切るそうです。欧米資本や日本たばこ産業(JT)があわせて1100億円を投資し、ほぼ国内市場に限定されていた加熱式たばこの世界展開を加速させます。その背景には加熱式の市場規模が2021年に約87億ドル(約9650億円)まで拡大するという英調査会社の試算がでているほど日本での販売が好調なことがあります。

ところで、従来のたばことは何が違うのでしょうか。加熱式は煙や灰が出すにおいが少ないほか、タールなどの有害物質を減らすことができる特徴があります。実際、アイコスに乗り換えた私の知人が「前に比べて煙の臭いなどで嫌がられる場面が少なくなった」と言うのを聞いたことがあるし、アイコスを吸っている人を見てそう感じもします。

においや有害物質など、たばこにはネガティブなイメージがしばしばつきまといますが、それもこれから変わっていくかもしれません。私自身はたばこを吸いませんが、店頭で販売することもあり、これからもたばこの未来に注目していきたいなと思います。

 

参考記事

25日付日本経済新聞朝刊(京都13版)14面(企業1)「加熱式たばこ 世界で増産」