「文武両道」これは多くの学生が一度は掲げる目標ではないかと思います。私も高校時代は、朝練のために早起きして英単語帳を片手に学校へ行き、放課後の部活動が終わればすっ飛んで塾へ・・・といった生活をしていました。
先日行われた陸上の日本選手権で男子100メートル、200メートルで2冠を達成したサニブラウン・ハキーム選手が今秋、米国のフロリダ大学へ進学するそうです。この記事にはサニブラウン選手だけでなく、高校生アスリートが米国へ渡るケースが増えていることが紹介されていました。
興味深いのは、サニブラウン選手が進学先に米国を選んだ決め手として「充実した学業のサポート」を挙げているところです。彼は「一生、陸上をやるわけじゃない。(現役引退後に)何をするかはわからないが、選択肢は広い方がいい」と語り、今の陸上競技にとどまらずその先の人生についてもきちんと考えています。米国では、施設面だけでなく教育制度も充実していて、学業成績が芳しくない者に対してはスポーツを制限するようなこともあるそうです。
高校時代、そして今も文武両道を掲げて毎日を過ごしている自分としても、これはいい取り組みであると考えます。華々しい成果を収めたプロ選手がセカンドキャリアでつまずいてしまうということを聞くと、たとえ一流のアスリートであったとしてもスポーツ「だけ」を頑張ることはあまりにもリスクが高すぎるからです。
「アスリート=スポーツだけ」という時代はもう終わりつつあります。これからはアスリートではない私たちであっても、何か一つを極めるだけで生きていくことは難しくなっていくのかもしれません。だからこそ、自分に今何が大事で何が足りていないのかを常に客観視し、自らの幅を広げていくことが大事なのではないかと考えます。
参考記事
7日付 読売新聞朝刊(京都14版)23面(スポーツ)「米留学 文武両道狙い」