小さな侵略者ヒアリ

幼いころ、公園で遊ぶ際にはアリは身近な存在でした。砂遊びをする際には必ずと言っていいほどアリが這い登ってきていましたし、時々捕まえもしました。

子供たちが安心して外で遊ぶことができる環境が危うくなりかねません。

大阪港でヒアリの女王アリが確認されました。団地や学校などとも近いため、外で遊ぶ子供たちの安全を懸念する声が上がっています。大阪市住之江区のある幼稚園では、外遊びや散歩の制限も視野に入れているとのことです。

ヒアリは毒を持ち、針で刺されると激痛が生じるそうです。また、在来のアリと競合すると巣を襲って全滅させる、作物や電線をかじる、家畜の子を襲うなど、人的被害だけでなくあらゆる産業に被害を及ぼします。そのため、国は水際の駆除に尽力し、定着を防ごうとしています。

連日、「殺人アリ」という呼称で報道されていますが、海外では刺されてショック症状を起こすのは1~2%の人だという統計があります。確かに、アリは小さく、見つけにくいためいつ刺されるか分からないという恐れがあります。しかし、いたずらに恐怖をつのらせるのではなく、ヒアリに関する知識を身につけ適切に対処する必要があります。

また、子供の安全を守るためにも、ただ外遊びを規制するのではなく必要な知識を与え、自分の身を自分で守ることができるようにする必要があると思います。

もちろん、水際の駆除が効果をあげヒアリの定着を防ぐことができ、何も心配せずに外で過ごせる環境が一番です。今後もヒアリに関する報道からは目を離せません。

参考記事:

5日付 日本経済新聞朝刊(大阪14版)35面(社会)「ヒアリ 大阪港に女王アリ」

同日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)27面(社会)「ヒアリ 定着の恐れ」