パリ協定離脱に黙っていない、偉大な国

 筆者の自慢の一つに大きな声が出せるというものがあります。その上、どこまでも通る声をしています。空手道の試合では、どんなに大きな会場でも、気合を一つ出せばどこで試合をしているかがバレてしまうほどです。そんな声ですが、一つ欠点があります。それは、音痴だということです。中学生の時の合唱では、声は大きいうえに、音程を外してしまうため、足手まといだったかもしれません。

 そんな合唱もまとまるようになりました。音痴が治ったわけではありません。周りの友人が、「これではまずい」と思ったのか、歌声が次第に大きくなり、筆者の声がかき消されるようになったためです。

 今日の朝日新聞に

トランプ米大統領が地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」から離脱表明したことを受け、米国の9州や125都市などが共同で5日、連邦政府に代わって米国の温室効果ガス削減の責任を果たすとする声明を国連に提出した。

とあります。

 オバマ前政権が掲げた温室効果ガスの削減目標「2025年に05年比で26~28%減」の達成に向けて努力を続けることを約束した声明には、ニューヨークやカリフォルニアなど9州や全米125都市に加え、アップルやグーグル、ナイキなど902の企業・投資家と183の大学が署名しました。

 先日の投稿した「“その程度の国”である意識は」にもあったように、トランプ氏のパリ協定離脱に対して、各国から批判の声が上がっていましたが、米国内にもこれだけの不満があったことを浮き彫りになりました。多くの米国民の国際社会と一丸になりたいという気概が見て取れます。離脱表明の会見で「米国と米国民を守る重大な義務を果たすため、協定から離脱する」と勝ち誇ったトランプ大統領は、国民のこの思いにどのように答えるのでしょうか。

 大統領の的外れな表明に屈することなく、声を上げる者いるかぎり、アメリカはまだまだ偉大な国になれるのではないかと感じました。

参考記事

7日付 朝日新聞 13版 10面 「パリ協定守る トランプ氏抜きで」