家庭のみならず、職場でも女性が活躍する社会を築き上げるのに大切なことは何でしょうか。今日は、女性の就労に関する日本の現状をお伝えしたいと思います。
経済協力開発機構(OECD)の教育に関する調査で、大学以上の学位を持つ高学歴女性の就労率が69%にとどまったことが判明しました。これは、OECD加盟国34か国の中のワースト3位で、OECD平均の80%を大きく下回っています。他上位の国と比べて、日本の女性の能力が劣っているわけではありません。読解力や数的思考をはかる国際成人力調査(PIAAC)では、日本の成人が1位をとるなど、日本の高学歴女性の能力は高いといえます。しかし、PIAACの読解力テストで高い正答率だった成人のうち就労していない人の割合は、世界で最も高いという結果がでています。
これに関し、朝日新聞では
「子育て後に再就職しようとしても、単純なパートしか選べず、能力に見合う仕事がないことが原因」
と、女性のキャリアに詳しい大沢真知子氏のコメントを記載しています。
高学歴女性の就労率が高い国には、スウェーデン、ノルウェーなど子育て支援が充実している北欧が目立つ。(朝日新聞)
たとえばスウェーデンでは、出産時や、育児休暇時の手当てが充実しており、また父親の育児休暇取得率も高いといわれています。また、医療費や義務教育費も無料で、日本と比べ親の負担はかなり少ないといえます。日本もスウェーデンの制度をまねているように感じますが、まだまだ現状改善には至っていません。また、OECDも、日本は保育制度を拡大するべきだと述べています。
日本の高学歴女性の就労率の低さは、日本にどのような影響を与えているのでしょうか。日本は今後どのように女性を支えていくべきなのでしょうか。
9月10日付 日本経済新聞 42面 「日本の女性活用されず」
朝日新聞 6面 「高学歴女3割就労せず」