ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)で先月15日に開業した「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリーポッター」。人気映画シリーズ『ハリー・ポッター』の世界を再現した新エリアです。その効果もあって、USJの8月の来園者数が133万人と、月間としては過去最高を記録しました。
8月は半分の日で雨が降りました。しかし、来園者は伸び続け、売り上げも過去最高の160億円となりました。新エリアを手掛けた森岡毅USJ執行役員は
「関西以外から来てもらえたことが過去最高につながった」(=朝日新聞)
と、遠方からの来園者が過去最高に寄与したと言います。
一方、USJから電車で約20分の天王寺。ここには日本一の高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)があります。百貨店やホテル、美術館などがあり、全面開業から半年が経ちました。しかし、経営は伸び悩んでいます。来場者の9割を占める百貨店では、売上高が計画を2割下回りました。ハルカス全体の来場者も当初予定の4%減と落ち込んでいます。
原因は、知名度不足にあります。
「実際に何があるのかイメージしにくい」(=読売新聞)
と、買い物に訪れた専門学校生は話します。「日本一高いビル」というのが先行してしまい、施設としての魅力が十分に伝わっていない現状があります。
USJとあべのハルカス。大阪経済の行方を左右する両者の今後に注目です。
【参考記事】
2日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)経済面「ハルカス効果 曇る足元」「あっぱれ ハリポタ効果」
同日付 読売新聞朝刊(同版)経済面「ハルカス来場2200万人」
同日付 日本経済新聞朝刊(同版)消費Biz面「USJ、入場者最高」「ハルカス集客 半年で2200万人」