「大学受験は本当に自分の実力だけで平等に勝負できる最後の機会だ。」
高校時代の担任の言葉です。大学受験は非常にシビアな世界です。国公立大学を目指すのであれば、センター試験と2次試験の二つの試験を突破しなければなりません。センター試験は失敗してしまうと、2次試験で不利になってしまいますし、最悪の場合、志望大学を受験できないということもありえます。私自身、現役の時はセンター試験で失敗し2次試験で取り返すことができず不合格となってしまいました。また、よく「1点で合否が分かれる」という言葉を耳にしますが1点どころか0.3点差で落ちたという話も聞いたことがあります。
脱「一発勝負・一点刻み」を狙った改革が行われつつあります。大学新テスト原案が発表されました。
センター試験にかわって2020年度から導入される新テストの原案では、英語は聞く、読む、書く、話すの4技能を評価し、国語は80~120語程度の記述式がとりいれられます。また、英語は受験生は2回受験でき、結果の良いほうが成績として採用されます。成績も1点刻みのものではなく、大まかなレベルに応じた段階別表示となります。
議論が重ねられてきましたが、問題点も多く残っています。数十万人の記述式の答案を短時間に正確に採点できるのか、そして受験生が自己採点できるのか。また「予行演習」を比較的容易にできる都会の生徒と、そういった機会に恵まれない地方の生徒の間で不平等が生まれないか、採点を民間業者に委託することでコストがかさみ受験料が高くなるという懸念もあります。
大学受験は平等であるべきだと思います。試験の制度や経済的な事情によって、また採点のさじ加減によって受験生の間に不平等が生まれることは、積み上げてきた努力をないがしろにしてしまうことです。受験生の能力をより正確に、平等に評価できる改革がなされるかどうか注意深く見守っていきたいです。
参考記事:
14日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)1面「大学新テスト原案」
14日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)3面(総合)「脱「一点刻み」難航の末」