政活費を生活費に混同する地方議員

今年は都議会で浴びせられた塩村都議へのセクハラヤジをはじめ、号泣会見で世間を騒がせた野々村元兵庫県議、無料通話アプリ「LINE」で女子中学生とトラブルを起こした山本府議など地方議員の不祥事が数多く取り上げられています。不祥事を契機に問題が議論の対象になっています。

朝日新聞の調査によると鳥取を除く46都道府県では、議員の自己申告で収支報告書の支出として認めており、領収書などの証明書を収支報告書に添付していなくても政務活動費を支給していることが明らかになりました。また宿泊代や移動経費などの定額支給が行われており、実際には短距離の移動でも支給額と支出額との差額の精算は行われないため多くのお金が議員の懐に流れているのが実態のようです。

私用でもつかうものを一部政務活動費から支出するなどグレーな支出も存在しており公私混同の議員らしい支出も存在しています。貰える分は貰っておく、政務活動費は使い切らないといけないというおかしな義務が使い切り体質を生んでいます。

「(政活費)は使い切らないといけないとの考えがあった」 (野々村元兵庫県議)
「余らせると政務活動費の予算額を減らされる恐れがあり、他の議員に迷惑をかけると思った」(佐竹紀夫高知県議)

支給された政務活動費のうち支出を除いた残額は返還する必要がありますが、大半の都道府県では9割以上が使用されています。納税者としては無駄な出費をするくらいなら都道府県に返還し、有用な使途に利用されることを望んでいるはずです。無駄遣いを防ぐ監視の目を光らせるためにはまず支出の自己申告制度を見直さなければならないと私は思います。この制度を長年利用してきた議員たちが自ら改革を起こすとは思えません。不祥事が注目を浴びた今、世論の力が議会を動かすチャンスかもしれません。世論の力である皆さんの意見をお聞かせください。

 

【参考記事】
朝日新聞24日付朝刊(13版) 1面「政活費 領収書なし容認」 2面「地方議員使い切り体質」

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