家族のための育休

 タレントのつるの剛士さんが昨年、2度目の育児休暇ならぬ「家族休暇」を取得しました。一度表舞台から姿を消すと再び出てくるのが難しい芸能界で、休む決断をすることは容易なことではなかったでしょう。つるのさんは自身のブログで次のように綴っています。

早く世の中から「イクメン」なんて流行ワードが消え、「普通の父親」と当たり前に言える社会になればなあ~
そんな日本社会を僕は心から応援しています。

 約半数の男性が育児休暇制度を利用したいと考えています。それにもかかわらず、取得率は2.65%と非常に低い水準となっています。その理由の1つとして、制度の利用に対して上司の理解が得られないことが挙げられます。「男が取るなんてありえない」といった考え方が、男性の育児を妨げてしまっているのです。

 このような現状を打開するため、今年から改正育児・介護休業法が施行されました。法の大きな柱の1つは、同僚や上司からの嫌がらせ防止策です。企業は、マタハラに加えて、以前あらたにすで紹介したパタハラ(広がる「パタハラ」)を防がなければなりません。このように、労働者が仕事と育児の両立できるような法整備が進んできています。一定の基準を達した企業に対し、「子育てサポート企業」として、「くるみんマーク」という厚生労働大臣の認定を受けた証を発行しています。この認証マークは、就活をする上で指標としての役割も期待されています。

 今なお日本社会に根強く残る「女性は家事、男性は仕事」という認識。共働き世帯が増えている今では、あまりにも女性に負担をかけすぎています。男性も育休をとることは、家族にとっても必要なことです。つるのさんは、「家族休暇」を取ったことで

短い期間でしたが家族の絆がより深まったこと、改めて基盤固めできたことは後の仕事にも必ず役立つ事でしょうし、生まれたばかりの新生児の世話で大変な奥さんの手伝いができる事はきっと今後の少子化対策にも必ず繋がると思います。

と感じたそうです。一筋縄ではいきませんが、家族の絆を深めるため、社会の協力が必要です。

参考記事:
12日付:日本経済新聞 14版 12面(日曜に考える)「パパも育休 追い風吹く」
つるの剛士 公式ブログ「一ヶ月の家庭休業(育休)を終えて。」(http://lineblog.me/tsurunotakeshi/archives/7833504.html)