広がる「パタハラ」

 家庭を持つ父親の多くにとって、毎日会社に出勤して汗水流して働き、収入を得ることは絶対の使命です。もちろん、休暇を使って心身ともにリフレッシュしたうえで、育児に励むことも大切なはずです。ところが、父親の育児休暇は「パタニティー・ハラスメント(パタハラ)」に繋がるとして、なかなか理想通りに取得できないというのが現状です。

  パタハラはまだまだ耳慣れない言葉ですが、子育てに関わろうとする男性が職場で嫌がらせや不利益な扱いを受けること意味します。育児休業や勤務時間への配慮といった制度の対象とされなかったり、制度を利用したことで嫌がらせや昇進・昇給の機会を奪われたり、果ては降格・解雇に追い込まれたりと、様々な被害が実際に存在しています。

  以前から、父親が育児休暇を取得するのが難しいことは感じていましたが、生命保険文化センターのデータによると、2014年度の男性の育児休暇の取得率は僅か2.3%でした。女性の取得率86.6%と比べ、その差は一目瞭然です。

  記事を読みながら、「もし生まれたばかりの子供がいて、育児休暇を認められなかったら?」と想像を膨らませました。働く自分が妻や子供と接する機会が少なくなると思うと寂しい。でも、会社の中で孤立して不当ないじめを受けるのも怖い。結局、育児休暇を認められないまま働き続けるのは耐えがたいので、思い切って転職すると思います。

  政府は昨年、妻の出産直後に男性が休暇を取れるようにし、2020年にはその取得率を80%にするといった目標を盛り込んだ「少子化対策大綱案」を自民党に示しました。その実行は必要ですが、ほかにも就活をしてきた私に思いつく対処法があります。個々の会社の育児休暇の取得率が高いか、復帰制度が整っているかどうかをしっかり調べることです。そうすることで少しでもいい会社に巡り合える可能性が高まり、仕事と育児の両立が図れることでしょう。

  24日付 朝日新聞朝刊 13版 33面 生活 「父の育休 職場の壁」

  テレ朝ニュース 男性の育児取得率を13%に 少子化対策大網案

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000046270.html

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