神ってるのは選手だけじゃない!

 毎年この時期になると、プロ野球は終盤戦を迎え、優勝チームが決まります。近年は、セパ共に戦力が拮抗しており、どの球団が優勝するか予想がつきません。そのため、プロ野球ファンとして、毎日の試合結果を欠かさずに見てしまいます。

 広島東洋カープにとって25年ぶりとなるリーグ優勝。市民球場からマツダスタジアムに本拠地を移転してからでは、初めての栄冠です。広島中が歓喜に包まれ、街中では人とすれ違うたびにハイタッチをするといった光景が報道されていました。

 今のカープを象徴する言葉は「神ってる」。「神がかっている」を略した若者言葉です。高卒4年目の鈴木選手の躍進に緒方監督が思わず口にしました。昨日の試合でも鈴木選手の2本のホームランが優勝を決定づけました。ただ、選手だけでなく、フロントの働きもあってこそ、より多くのファンが応援する中で優勝をつかみ取れたのではないでしょうか。

 2014年には女性ファンを指す「カープ女子」が流行語になり、注目されました。裏方を務めるのが球団フロントですが、新規のファンを獲得するために様々な努力をしています。球場の外にはお化け屋敷があり、球場内にはBBQができる席やソファで横になりながら見られる席、お座敷席など。様々な工夫が凝らされています。その成果もあってか、観客動員数は年々増加して、昨年は200万人を突破しました。

 もちろん、他の球団も様々な努力をしています。例えば、仙台が本拠地の楽天イーグルスは今年から球場にメリーゴーランドや観覧車を設置しています。実際に行ってみると、どちらも大盛況で、親子やカップルが楽しんでいました。これらは、試合がない日でも営業していて、野球に興味がなくても球場に足を運んでもらえるよう工夫されています。

 今までのプロ野球では考えられなかったようなアイデアが次々と導入されています。脚光を浴びる選手だけでなく、縁の下の力持ちであるフロントの動きにも注目すると、より野球が楽しめるのではないでしょうか。

参考記事:
11日付:各紙朝刊 「広島リーグ優勝」関連記事