本日8月23日は処暑、厳しい夏の暑さが終わりを迎える頃です。高校野球は21日、作新学院高校の54年ぶりの優勝で幕を閉じ、オリンピックでは過去最多41個のメダルを獲得しました。夕方には秋風も感じられ、まさに熱い夏が終わったように感じます。しかし、その夏を終わらすのはまだ早いかもしれません。
来月7日(日本時間8日)からはパラリンピックが開幕します。約170か国・地域から約4350人の障がい者アスリートが参加します。日本からは17競技に127選手が出場します。日本パラリンピック委員会のウェブサイトには「リオ2016パラリンピック特設サイト」が開設されており、代表選手の氏名や年齢、所属にとどまらず障がいの種別なども知ることが出来ます。写真からはハンデを持っていることが分からない人も少なくありません。
そして、競技の実力もオリンピック選手と変わりません。今年5月に横浜で開催されたトライアスロン に参加した時のことです。筆者はなんとか完走することができましたが、全身筋肉痛になってしまいました。そんな過酷なレースを盲目の選手がハンドラーと呼ばれる支援者と一緒に海を泳いだり、義足の選手が健常者の選手と同じ速さで走ったりするのを目の当たりにしました。感動というより驚愕だったのを覚えています。パラリンピックでも見ごたえのある競技が繰り広げられることでしょう。
残念ながら、オリンピックに比べると人々の関心が格段に低いのが実情です。国際パラリンピック委員会(IPC)によれば販売済みの観戦チケットは全体の12%の約30万枚にとどまっています。日本でも中継のほとんどはNHKの地上波や衛星放送です。視聴率の関係から民放ではあまり放映されません。
先日訪れた障害者スポーツセンターの職員の方はこう言いました。
「障がいをもっと楽しんでいい。例えば、車いすで遊ぶなと習ったかもしれないが、健常者が車いすバスケで遊んだっていい」
「障がいがあるから…」という考えが距離を作ってしまう原因の一つだと気づかされました。パラリンピックを応援することで、いままで持っていた「障がい」というイメージを拭い去り、「個性」と感じるようになるかもしれません。熱い夏をもう少し堪能しませんか。
参考記事
23日付 読売新聞 13版 38面 『パラリンピック来月8日から 競泳、陸上に「金」期待』