仙台初売り 伝統に思いを馳せて

新しい1年が始まり、2日が経ちました。

筆者の地元である仙台では、1月2日に「仙台初売り」が行われます。

「仙台初売り」と聞くと、2日から始まる盛大な行事を思い浮かべますが、現在の形に至るまでは様々な事情と経緯があったようです。

仙台初売りは、藩政時代の文化文政(1804〜1824年)には、原型となるものがあったことが、『仙台年通行事』という冊子の中で確認されています。初売りを2日に設定した理由は、この日が初夢や書き初めなど「年始事始め」の吉日とされていることや、仙台の言い伝えとして、「元旦の掃除は福を描きだし、買物はお金を吐き出し、1年の浪費につながる」とされていたことが一因と考えられます。

また、お茶箱や福袋、割増商品券などの豪華な景品が有名ですが、こうした景品に関する特例が認められているのは正月3日間だけ、それも旧仙台藩地域に限られるそうです。

初売りの実施日を巡っては、下記のように紆余曲折ありましたが、現在では元旦の通常営業を容認する形で、2日からの初売りが定着しています。

下記サイトを参考に筆者作成
仙台初売りドットコム「仙台初売りの移り変わり」 最終閲覧日:2025年1月3日

 

2000年には、ジャスコの岡田社長が翌年から元旦営業を行う旨を表明しましたが、その後に行われた仙台商工会議所の松村会頭との会談を経て実施が見送られることもありました。

仙台の初売りについて紹介してきましたが、筆者は年末に山形の祖母の家に滞在していることが多く、実際に並んだり福袋などを買ったりしたことはありません。今回執筆するにあたり歴史にまで踏み込んで調べてみたことで、今ある形式は昔からの当たり前のものではなく、たくさんの人たちの努力と工夫によって出来上がったのだと感じました。

2025年は暦の関係で、長期のお休みを取れる方が多いのかもしれません。食事や家族との語らいのみならず、近くでの初売りや伝統のお雑煮やおせちなど、それぞれの行事の由来を学ぶ時間にしてもいいからしれません。

 

【参考資料】

仙台初売りドットコム「仙台初売りの移り変わり」 最終閲覧日:2025年1月3日最終閲覧日:2025年1月3日

仙台観光情報サイト「せんだい旅日和」 最終閲覧日:2025年1月3日

まちくる通信 最終閲覧:2025年1月3日