「舛添さん、辞めてしまったね。次誰かな」
「櫻井くん(人気アイドルグループ「嵐」のメンバー)のお父さんがいい」
ニュース番組をぼんやりと見ながら妹と話していました。いまや誰が知事に選ばれるのかが家族の話題です。今朝の読売新聞、日本経済新聞の一面にはそれぞれ大きめに「知事選7月31日有力」「与野党、後任選び急ぐ」と書かれています。このように都民も紙面も、その関心は一気に知事選に向かっています。次の都政を誰に託すのか関心が高まりますが、次につながる振り返りも重要です。
きっかけは4月下旬の週刊誌報道です。政治資金の流用疑惑を指摘し、私的飲食や家族旅行、湯河原の別荘通いなどが続々と明るみに出ました。公私混同の責任は重く批判されて当然です。しかし、舛添氏ばかり批判されるのに違和感を抱きます。
まず、都議会についてです。ここぞとばかりにメディアに登場し、議会で追及する議員たちをみてうんざりしていました。猪瀬氏のときから何も進歩していません。政治資金の問題を繰り返してはいけないという問題意識があるならば、話し合うことは決まっているでしょう。ザル法と言われている政治資金規正法について検討の場を設けたり、政治資金の透明性にむけて意見を出し合ったりできたはずです。肝心の法律が変わらない限り、不明瞭な使途を指摘されても煙にまくことができます。
参議選が迫っています。それゆえに舛添氏を応援していた与党の議員は手のひらをかえすように態度を変えました。そもそも都議会議員は政党より個人で選ばれたという意識が強いため、当然の行動に思えます。とはいえ、人々は政治家には金と選挙しか頭にないのだとあらためて実感し、不信感を一段と募らせます。
さらに今回の報道より前に、都知事の行動に疑問を抱き指摘をする補佐役の人はいなかったのでしょうか。都庁の風土もあらためなければなりません。また、マスコミの役割は権力を監視することです。日々の取材を通じて、少しでも早く暗部を見抜いて欲しかったものです。
為政者を選んだのは都民です。私もその一人です。極端かもしれませんが、時々今の政治家や法律の下で、だれも当たり前の問題を指摘できないのならば、だれに投票しても大した違いがないと思ってしまいます。トップを入れ替えるだけではなく、根本的な解決に取り組むことで私の政治に対するわくわく感が膨らんでいくと嬉しいです。
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