地域の災害リスク 調べてみよう

皆さんは、自分が住んでいる地域の災害リスクについて知っていますか。また、何か防災対策をしていますか。先週には豊後水道で震度6弱の地震が発生しました。これから夏が近づくにつれて、台風やゲリラ豪雨による洪水・土砂災害にも警戒する必要があるでしょう。

筆者の住む京都府には、いくつかの断層が通っています。京都市左京区から滋賀県高島市にある花折(はなおれ)断層帯で地震が起きた場合、大きな被害が想定されると知りました。

左京区には吉田山という標高125mの小さな山があります。859年に創建された吉田神社があり、毎年の節分祭には多くの人が訪れます。この吉田山は、花折断層の横ずれ運動によって形成されたそうです。いま、断層の上には住宅地が広がっており、近くの修学院離宮や詩仙堂には多くの観光客が訪れています。

 

京都府は16年ぶりにこの花折断層で地震が起きた際の被害想定を見直しました。地震の規模を示すマグニチュードは最大で7.5と想定され、京都市中心部で震度7の揺れに達する恐れがあるという結果が示されました。

この想定は、最大震度7、マグニチュード7.6を観測した能登半島地震と同程度といえます。また、花折断層帯地震の被害は死者約4700人、建物の全半壊が約25万8000棟にのぼると想定されているそうです。

建物の耐震化が進み、2008年の前回想定より死者数、建物の倒壊数の想定は減少しました。しかし、出火リスクの算定方法を厳密にしたところ、焼失棟数は85%増えて約2万3000棟とされています。

朝日新聞の記事では京都大防災研究所の牧紀男教授の「耐震化とともに、火災に弱い京都の町を守るための対策も着実に進める必要がある」との言葉を紹介しています。

確かに、京都市中心部には町家などの木造住宅をはじめ、建物が密集しています。さらに、車1台分の幅しかない狭い路地もたくさんあります。地震が起こった際の避難や火災には不安がつきまといます。さらに最近は観光客の数が増えていることから、もし大きな地震が起これば住民だけでなく、土地の事情を知らない多くの人も巻き込まれることが予想されます。

残念なことに、大規模の地震が起きるリスクを知らない人がほとんどです。断層がある左京区に50年住む筆者の祖母は、「花折断層は知っているが、被害の想定については知らなかった」と言っていました。

自分の住む地域にこのような地震のリスクを知ったことで、防災情報を調べてみたり、自宅の防災バッグを再確認したりしました。ハザードマップでは、自宅周辺は河川の氾濫時に0.5〜3m浸水する恐れがあるとされていました。

ハザードマップはインターネットで見ることができ、被害予測だけでなく避難場所などの情報も確認することができます。災害はいつどこで起こるか分かりません。だからこそ備えが必要です。大学生になって下宿生活をしている人はもちろん、実家に住む人も、この機会に住まいがある地域の災害リスクを調べてみませんか。

【参考記事】

4月25日付 朝日新聞朝刊 (大阪14版) 26面(社会)「花折断層帯地震 死者4700人想定」

4月26日付 読売新聞朝刊 (大阪13版) 23面(地域)「花折断層 地震想定見直し」

【参考文献】

京都府レッドデータブック

https://www.pref.kyoto.jp/kankyo/rdb/geo/db/sur0070.html

内閣府「令和6年能登半島地震に係る被害状況等について」

https://www.bousai.go.jp/updates/r60101notojishin/index.html#saigai_info

吉田神社ホームページ

https://www.yoshidajinja.com/yuisyo.htm#hongu

ハザードマップポータルサイト

https://disaportal.gsi.go.jp/