医学部の不正入試問題を始め、教育面で女子が不利に扱われることがないとは言い切れない現状があります。差別を受けた本人は、女子という性別を好んで生まれてきたわけではあるません。理不尽さに憤り、あるいは悲しんでいる人は多いことでしょう。
私自身も、そうした事態に遭遇したことがあります。中学生の頃に通っていた塾の選抜試験でのことでした。難関校への進学に特化した授業を受けられるクラスがあるのですが、入るには選抜試験で一定の水準を越えなければなりません。しかし、この合格点が男女で異なっていました。女子の合格ラインが男子よりも30点ほど高く設定されていたのです。
この30点の差に苦しめられました。「男子なら合格だったのに」、自分の学力の無さに加えて、この性別による壁に涙を流しました。なんで女に生まれてしまったのだろう、と思ってしまったこともありました。ただ、この合格ラインの差は、塾側が差別しようと思って設定しているわけではないことも分かっていました。
先生から、「女子は共学や女子校の大学附属や難関の女子校が少ないから、そもそも難関校に入るのが難しい。だからその分、高い学力も求めなければいけなくなるんだよ」と説明されたからです。しかし、このときも「男子はずるいな」と思わずにはいられませんでした。男子も女子も、人間という意味では同じなのに。中学生ながら、学力においての男女の差がなんなのか、と頭を悩ますこともありました。
多分ですが、学力において、男女の差は大きくないはずです。個々人で能力は異なりますし、一概にどちらのほうが学力が高いとは言い切れないと思います。しかし、女子の進路は文系が多く、理系が少ない傾向は否めません。それを変えようと、女子枠を設ける大学や、女子のみの総合選抜型入試を実施している大学も増えてきたようです。性別にとらわれることなく、学びたい学問を学べるような環境が整えられることを願っています。
<参考記事>
18日付 日本経済新聞 朝刊「阪大基礎工学部、『女子枠』20人分」