“地域単位”で観光税の導入を!観光大国ニッポンを守るために。

「カイロを便器に流さないで」。

懸命に協力を訴えているのは、白川村役場の役員。世界遺産に登録されている観光名所・白川郷で、観光客によるマナー違反が大きな問題になっている。そんなニュースを見て思い出したのは、京都の大学に通う友人の言葉でした。

観光地の多い京都市内での通学について「バスはいつもぎゅうぎゅう。せめて観光客と分けられたらいいのに」と困っていました。

インバウンド旅行者による観光需要の増加は、地域経済を支えるなど前向きな効用が見られる一方で、観光公害(オーバーツーリズム)が地元住民の暮らしや環境にもたらす暗い影が少しずつ広がっています。

オーバーツーリズムとは「観光地の受け入れ能力を超えた訪問により、発生する様々な問題点」を指します。観光客が密集することで、自然や公共インフラなどにマイナスの影響をもたらし、最後には観光地のブランド価値の低下に繋がるといったリスクをはらんでいるのです。

白川郷や京都のほか、世界文化遺産に登録されている富士山でも、観光公害が見られます。

長い年月をかけて築きあげられた日本の文化や環境を保持し続ける。そのためには、地域観光税などオーバーツーリズムに対する財政的な対応策を自治体や地域単位で、積極的に導入するべきなのではないでしょうか。

既にイタリアのヴェネツィアやスペインのバルセロナなどの海外の著名な観光地では、インフラの整備など観光公害対策のために、地域としての「観光税」が導入されています。

国内でも大阪府では、観光資源保護のための「徴収金」制度の検討が開始されていますが、海外と比較すると各地域での検討の動きは、いまだに鈍いのが現状です。

「備えあれば憂いなし」。元に戻せない事態に追い込まれる前に、守るための方策を地域単位で積極的に考えてほしいものです。

 

参考記事:

6日付 日本系座新聞(東京12版)「惑う観光大国ニッポン(3)私有地立ち入りに住民悲鳴(迫真)」

 

参考資料:

ELEMINIST「観光税を導入した世界の国は25カ国以上 日本の状況はどうなっている?」

https://eleminist.com/article/3035 最終閲覧日:2024年3月7日

 

日本経済新聞電子版 「大阪府、訪日客から「徴収金」検討へ 観光公害対策」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF067DK0W4A300C2000000/

2024年3月6日 最終閲覧日:2024年3月7日

 

NIKKEI COMPASS「オーバーツーリズム」https://www.nikkei.com/compass/theme/107210

最終閲覧日:2024年3月7日