人間関係リセットしたい?

人間関係リセット症候群。この言葉を聞いたことはあるでしょうか。人間関係を突然リセットして人との繋がりから自由になりたい、そんな思いに駆られて、人から離れ一人で行動してしまう心理のことです。

2023年1月に全国の21歳から69歳の男女1000人を対象としたアンケートでは、「リセットした」「したいひとがいる」と答えた人が、全体で38%、約4割に及びました。

LINE、Instagram、Twitter、今流行のBe Realなどなど。今やたくさんのSNSが普及しています。インスタグラムを開けば、恋人や友達といる写真。またBe Realを開いても、恋人や友達と楽しそうに映っている写真。12月下旬から1月にかけては、クリスマスや正月など大きな行事が続き、大切な誰かと一緒に過ごす人も多かったはず。その分、SNSもキラキラしたものになります。クリスマスや正月を一人で過ごした、大切な誰かと過ごした、人それぞれです。しかし、そのような行事を大切な誰かと過ごすことに憧れを持っている、または羨ましさを持っている独り身も多いはずです。まちの広告で見かける、「大切な誰かと過ごすクリスマス」なんて言葉も、羨ましさ、そして1人で過ごす悲しみや虚しさにさらに拍車をかけてきます。それらのストレスが積み重なり、一気に爆発。これが人間関係リセット症候群に繋がることも多いのではないでしょうか。

そんな人間関係リセット症候群の対策として挙げられるのは、スマホを見ないようにする、新しい趣味を見つける、睡眠をとる、などです。一度時間を置き、人との繋がりによって溜まったストレスをリフレッシュすることが大切です。

「人という字は互いに支え合って人となる」金八先生はこう言っています。人は、一人では生きられない生き物です。しかし、一人になりたい時だってあります。人間関係リセット症候群は本人も辛く、また、リセットされた側も辛いものです。しかし、リセットされた側が「何かしてあげられることはないか」と考え、行動することは、この症候群の解決方法であるとは限りません。一人になりたいと思っている人を、そっと一人にさせてあげる。その優しさも、きっと相手を支えることに繋がるはずです。人はいつ、どのようなきっかけでそのような心理に陥るかは分かりません。いつも誰かにしている優しさが、その時の相手にとっては優しさではないかもしれません。相手がその時求めている優しさを見つけて、互いに寄り添いながら生きていきたいものです。

 

参考記事:読売新聞オンライン 7日付 【人生案内】仲良く、でも傷付くの怖い

FNNプライムオンライン 【衝動】人間関係リセット症候群が年末に増加 (2023.12.7)