本格的な冬到来 気をつけるべき点は?

気がつけば12月も下旬に差し掛かり、北海道にも本格的な冬が到来しました。筆者が住む札幌もここ数日は最高気温が0℃未満の真冬日が続いています。

今年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあり、絶景やグルメ、上質なパウダースノーなどを目当てに多くの観光客が来訪することが期待されます。

ただ、雪は我々にとって時に大きな脅威となり得ます。

今回は、北海道を訪れる際に気をつけるべき点をお伝えしたいと思います。

 

◯路面凍結

札幌では例年、12月から4月上旬ごろにかけて、積雪状態が続く根雪(長期積雪)となります。

降り積もった雪が車や人の往来によって踏み固められたり、一度解けた後に再凍結したりすることによって、道路一面がスケートリンクのようになります。

凍結した路面は滑りやすく大変危険です。札幌市消防局の統計によると、市内では例年1000人前後が雪道での転倒によって救急搬送されています。余談ですが、筆者も今シーズンすでに4回転倒しました。

ながら歩きは避け、靴裏全体を路面につけて、小さな歩幅で焦らずに移動することを心がけましょう。

また、凍結路面では自動車の制動距離が大幅に長くなることにも注意が必要です。

街中を歩いていると、止まりきれずに停止線から大きくはみ出した状態の車を見かけます。

車を運転する際はもちろんのこと、横断歩道を渡る際なども、車が止まりきれずに突入してくる可能性があるので気をつけましょう。

凍結した路面の様子(12月20日筆者撮影)

◯落雪

足元だけでなく、頭上にも気をつける必要があります。

一時的に気温が高くなる日には、屋根に積もった雪が落下し、落雪事故が起こる可能性が高くなります。

雪は見た目の割に重く、雪質によっては積雪1立方メートルあたりの重さが数百キロにおよぶこともあります。

雪道では足元に気を取られがちですが、頭上にも注意を払い、雪庇や氷柱の下には近づかないようにしましょう。

屋根の積雪が垂れ下がって固まった雪庇(3月1日筆者撮影)

屋根の上の雪が崩れ落ちた様子(3月1日筆者撮影)

◯交通障害

冬季には交通障害も度々発生します。

大雪の際には、北海道の玄関口である新千歳空港では100便以上が欠航することもありますし、JRをはじめとした陸上交通網が寸断されることも珍しくありません。

筆者が大学入試のために北海道を訪れた際は大雪のためJRが運休しており、空港では札幌市内に向かうバスに長蛇の列ができていました。

筆者は幸いなことにバスに乗ることができましたが、通常の倍以上の時間がかかりました。空港では移動手段を失った数千人が足止めされ、600人以上が空港内で夜を明かしました。

受験などの重要な用事で訪れる際は、数日前に北海道入りするなど、日程に余裕を持たせることをおすすめします。

筆者が受験で北海道を訪れた際の新千歳空港のバス乗り場の様子(2022年2月23日筆者撮影)

雪にはたくさんの脅威が潜んでいます。今回紹介したものは一例にすぎません。

特に、普段雪が降らない地域に住んでいる方はそのことに留意し、安全に十分に配慮したうえで雪国を満喫してください。

 

参考記事:

11月26日付 北海道新聞朝刊(全道)27面(社会)「冬将軍一気 交通に乱れ*札幌・白石区*強風で足場倒れる」

2022年2月25日付 朝日新聞朝刊24面(北海道総合)「空港足止め、4000人超 新千歳・札幌間、復旧未明に 再三見通し二転三転、JR陳謝/北海道」

2022年2月24日付 読売新聞夕刊(東京)12面「新千歳空港 3000人足止め 大雪で鉄道運休」

参考資料:

札幌管区気象台「道内アメダス順位表」

札幌管区気象台「初雪などの平年値」

札幌市「雪道転倒防止リーフレット」

札幌市消防局警防部救急課「令和4年度 雪道の自己転倒による救急搬送概要」

NHK「今年も警戒 除雪と落雪の事故~大雪から命と暮らしを守る」