大学生になってから、一人暮らしを始める学生も多いことでしょう。実家と大きく変わる点がいくつもあります。中でも大変なのが朝食です。早起きして自分で食事を作って、片付けまでするとかなりの手間になります。それと同時に食費もかかり、アルバイト代だけではなかなか賄えないのも現実です。筆者も一人暮らしを始めて2年半ですが、年々実家のありがたみを感じます。
実際、朝食を抜きにする大学生が多いのは事実です。読売新聞に以下のような記事がありました。
「朝食をとる習慣が身についている大学生は疲れにくく、食べないよりも健やかに過ごせる可能性があるとの調査結果を、立命館大の保井智香子教授らがまとめた。(中略) 立命館大保健センターの22年のアンケートでは、男子の14%、女子9・7%に朝食をとる習慣がなかった(読売新聞,2023)」。
そこで、各大学は「100円朝食」なるものを始めました。私が通っている立命館大学でも平日に100円朝食を開催しています。3年生にもなって1度も足を運んでいなかったので、恥ずかしながら行ってきました。
この日は、ライス(Sサイズ)・味噌汁・揚げ餃子・小松菜の胡麻和えでした。昼食で同様のメニューなら300円近くかかるため、破格の安さです。
普段から利用しているという田中ゆらさん(19)に話を聞きました。
「下宿先で朝食を摂ろうと思うと、食器洗いが面倒なので利用しています。朝から、温かいごはん、味噌汁とアツアツの揚げ物を食べると元気が出ます。また、昼食時には忙しそうにしている食堂の従業員の方が朝は丁寧に挨拶をしてくれるので気持ちが晴れやかになります」
100円朝食は全国に広がっています。
「名城大学天白キャンパス(名古屋市天白区)のカフェに、11月初旬の朝、学生たちが列をつくっていた。お目当てはパンとドリンクがセットで税込み100円の『100円朝食』だ。パンは数種類から選べる。毎日200~250人ほどが利用しており、人気のチキンバーガーはすぐに売り切れた(朝日新聞,2022)」。
こんなに便利な100円朝食ですが、全学生が利用しているかと言われればそうではありません。
1度も食べたことがないという大学3年生の馬場あさひさん(21)に聞いてみました。
「朝起きて、わざわざ大学に行って朝食を食べようとはしません。家で食パン1枚だけ食べて登校します。また、3年になって1限の授業を減らしたため大学で朝食を食べるためだけに行こうとはなりません。パンがあったら、行くかもしれませんが」
大学生の支えとなっている100円朝食。しかし、バリエーションはそれほど多くありません。パンや季節のフルーツなど新メニューが増えれば、更なる利用者の増加が見込めるかもしれません。
参考文献
2023年4月3日付 読売新聞 「健康・学力 朝食のすすめ 立命大教授ら 学生調査=京都」.
2022年12月27日付 朝日新聞 「『100円朝食』で学生支援 名城大の学食、にぎわい復活 【名古屋】」.