キンモクセイの芳香が鼻をくすぐるこの季節。しかし、夜になるとキンモクセイの匂いに交じって強烈な悪臭も飛び込んできます。
この原因はカメムシです。今年は、例年以上に見かけます。授業中ふと外を見ると窓に張り付いていたり、飲食店の入り口の壁にくっついたりしています。
農林水産省によると、京都や和歌山など21道府県でカメムシの「注意報」が出されています。今年はなぜ、これほどまでに大量発生しているのでしょうか。
「各自治体によると、現在、近畿の都市部で大発生しているのはツヤアオカメムシ(体長約1・5センチ)。光沢のある緑色の体が特徴だ。(中略)夜行性で、夜間の気温が高いと活動性が高まる。今年は各地で真夏日の日数を更新する記録的な残暑が続いており、夜も気温が下がらず市街地まで飛んできているようだ。
今夏、好物のスギやヒノキに多くの実がつき、カメムシの生育環境が良かった点も大きい。(中略)多くの成虫がさらに餌を求めて山から都市部へ移動した可能性が高い(読売新聞,2023)。」
カメムシは蚊のように人間に直接的な害を与えるわけではありませんが、その強烈な臭いが特徴的です。
よく近所の飲食店に行くという立命館大学の田中ゆらさん(18)も、カメムシに悩まされている一人です。
「この前、回転寿司店に入る際入り口のドア付近にカメムシが大量発生していました。集合体恐怖症の私は、見ることが出来ませんでした。カメムシの異臭も嫌悪感を覚えます」
同じく立命館大学の帰山奈央さん(19)にもカメムシの印象を聞きました。
「嫌いです。ある秋の日にお風呂のボディソープの中に大量のカメムシが入っていたことがあり、そこからトラウマになりました」
ここ数年の異常気象は、人間だけでなくカメムシを含む多くの動植物に影響を与えています。地球温暖化には様々な原因がありますが、人間もその片棒を担いでいるのは間違いありません。
人間にとっても地球に生きる動植物のためにも、私達の一つ一つの行動が重要になってきます。例えば温室効果ガスの排出を少しでも削減するために、徒歩や自転車で移動すべきです。このような小さな積み重ねが、地球を救うことになります。大量発生したカメムシが、私たちに教えてくれているのかもしれません。
参考記事
9月30日付 読売新聞 「カメムシ 都市で大発生 21道府県 注意報」.