社会参画の一歩目を 「かなテラスカレッジ」(後編)

・繋がりを作れる場所に

対面形式の講座に参加する動機としては、「志の近い人と出会いたい」「頑張っている人と出会いたい」が多いそうです。また、交友関係の中だけで同じ意識を持つコミュニティを作り出すことに難しさを感じ、かなテラスカレッジに参加する人も。実際にセミナーの終了後も参加者同士で繋がりを持ち続け、自主的に勉強会を開いている方もいます。

「自分の勉強になると思った」「人生設計について考えたかった」という参加動機に関しては対面・オンラインを問わず多く、今後のキャリアや社会参画として動き出した先の問題を解決する手立てを探している人は少なくありません。

・社会サービスだけではない、認識による問題

「政治の不条理」「義務教育」「こども食堂」「地域街づくり」「IT化人材の不足」「LGBTQ支援」。

受講生に「今の世の中でどういうことを解決していきたいですか」という質問を投げかけたところ、こうした回答が上位を占めていたといいます。とりわけ、子育てと関連して「保育・学童といった女性が働き続けるための社会サービスが十分でない」ことを実感している参加者は多いそうです。

悩みを抱えているのは女性だけではありません。

「男性社員の方が育児休業を1年申請してきた。なんで1年も休みをとるのかわからない。1年も休むのは出世意欲がないのではないか。」

このように話す企業の方もいるそうです。育児に積極的に関わりを持ちたい。しかし、職場の風土や環境によっては理解を得られず、育休の申請さえできない男性もいます。意識だけの問題ではなくなった時、企業努力や法的なサポートが必要になると窪田さんは話します。

 ・今後の取り組み

9月~11月にかけて、市町村と協力し民間分野で働く女性に焦点を当てたセミナーが開催されます。

「女性が女性に焦点をあてることも大事ですが、トップの方にも新しいイメージをもってほしい。そのため、経営層に向けたメッセージの発信も大事にしていきたい。」

倉﨑さんは熱意をもって話しています。かなテラスでは職場と男性向けの育休ガイドブックの配布や「女性を部下に持つ男性管理職向けセミナー」といった講座も開かれています。

・メッセージ

最後に倉﨑さんからのメッセージです。

「神奈川県では、今年度より始まった『かながわ男女共同参画推進プラン(第5次)』を基にたくさんの重要課題の実現に向けて取り組みを進めていきます。かなテラスにおいても、県域の活動拠点として目標を達成できるように取り組んでまいります。

かなテラスでは、中高生から大人の方まで幅広い層に向けた講座が開かれています。また常設されている資料・交流コーナーでは県や各自治体の女性参画の歴史、ジェンダーの関連書籍を閲覧することができます。訪れてみてはいかがでしょうか。

資料・交流館コーナーの様子

 

前編はこちらから

 

終わりに

今回取材させていただいた神奈川県立かながわ男女共同参画センターのHPはこちらになります。今後のセミナーの予定や今までの取り組みを閲覧、参加申し込みをすることができます。ご興味のある方は是非見てください。

温かく取材をさせていただきました推進課の皆様、ありがとうございました。