解散サプライズよりも、熊本へ

解散総選挙に使われる税金は650億円。選挙に使われるはずだったこの税金を、ぜひ、熊本地震の被災者の、食事に、衣服に、薬に、安心して生活できる住居に、充ててほしいと思います。

夏の参院選と同時に衆院選を行う、衆参同日選に慎重論が強まってきました。同日選が噂された背景としては、消費増税前に選挙をやったほうが好都合との判断があります。安倍内閣の支持率が高いうちに、憲法改正のために衆参両院で3分の2以上の議席を確保しようというのです。

衆院解散の見送りは、熊本地震の対応に集中する姿勢をアピールするためと思われます。このタイミングで選挙をやっていては批判が出るから、というものでしょう。その通りです。

一方で、サプライズ解散の可能性も残っています。なぜ「やらない」と言っておいて、急に「やる」と言うのか。ウソをついていいのか。永田町では首相は衆院解散についてウソをついてもいいと言われているそうです。実際に、1952年8月、吉田茂首相は解散を否定していましたが、突然「抜き打ち解散」をしました。ウソをついておくほうが、解散したときのサプライズ感が高まる、との見方もあるそうです。それに議席を争う野党の態勢も整わないでしょう。

本日(25日)にも、熊本地震が激甚災害に指定される見通しです。激甚災害への対応が急がれる中、国会から議員がいなくなるようなことがあってはなりません。夏の選挙の時期には、今回の災害の記憶が国民から遠ざかっているから、やっても批判されない、ということなのでしょうか。

国民はサプライズを求めていません。サプライズさせる力があるなら、全力で熊本に向けてほしいと思います。

参考記事:

25付 各紙朝刊 同日選見送り・衆院補欠選挙関連面