「イメージは最底辺まで下がっている。」 学生が考えるジャニーズ問題

ジャニーズ事務所は今月2日、事務所の名称を「SMILE−UP」に変更すると発表しました。同社は被害者の補償に専念し、補償後は廃業。タレントのマネジメントに関しては設立予定の新会社が担うことになりました。

創業者である故ジャニー喜多川氏による所属タレントに対する性加害問題。1つの問題が新たな複数の問題につながり、事態は一段とややこしくなってきています。被害補償に関する問題、今まで報じてこなかったメディアに関する問題、週刊文春が報じたジャニーズ新社長の東山紀之氏に関する問題、企業による所属タレント起用に関する問題、「ジャニーズ」という名称に関する問題などです。それぞれについてSNSなどでは、さまざまな議論が飛び交っています。

今回は、筆者の同世代である19、20歳の学生への聞き取り調査を参考にしながら、「ジャニーズ離れ」と社名変更の2点について論を進めていこうと思います。

今月3日付朝日新聞朝刊の2面に掲載された「社名維持 一転し廃業」では、人々の「ジャニーズ離れ」を食い止められるのか、を取り上げていました。企業の姿勢が厳しくなっていることは筆者も感じていました。上場企業65社のうち、33社が見直しを行う方向です。ただ、社名を変えても所属タレント自身が変わるわけではありません。ファン層がジャニーズから離れることは無いのではないかと筆者は思いました。

そこで身近な14人の学生に今日、Googleフォームを使って意見を聞いてみました。以下はそれら回答の一部です。

 

ジャニーズのファンの人は、所属タレントのファンであって、ジャニーズのファンではない。また、タレントもそれに加担していたわけではないため、そのタレントに対してマイナスな感情になることはないと考えられる。そのため、ジャニーズファンはファンであり続けるだろう。

事務所の対応を含め、イメージは最底辺まで下がっている。タレントの起用をやめた企業が今後戻ってくるかはわからないが、事務所の力が無くなってくれば、自然とファンも離れていくと思う。現状、K-POP人気が強いため、立て直す前にそっちに取られてしまう可能性の方が高いと思う。

 

世界的に有名な事務所のスキャンダルだけに、学生の注目度も小さくありません。「ジャニーズ離れ」を招くと思うと回答した人は9人、思わないと回答した人は5人でした。筆者の想定とは異なり、「ジャニーズ離れ」は防げないという意見の方が多かったわけです。筆者と同じような意見の学生も複数いましたが、多数派が言うようにタレント事務所「ジャニーズ」で働くタレントとしての若者集団「ジャニーズ」を見ることはもう無くなってしまうのでしょう。今後、新会社にどれだけが所属するのかも分からないですし、新会社がタレント事務所「ジャニーズ」ほどの力を持てるのかも分かりません。

回答者の中にはジャニーズファンだという学生もおり、「ジャニーズという名前はファンの中では馴染みのある名前であり、それがいきなり無くなってしまうのは悲しい」と社名の変更を惜しむ人もいました。ここでも沢山の議論がなされています。学生のアンケート結果は賛否が同数でした。

 

ジャニーズという名前を聞いただけでもフラッシュバックしてしまう人がいるならば、社名を変え、被害者の救済後は解体するという方針は被害者のことを一番に考えていて良いと思ったから。ただ、「ジャニー」とつくもの全てを無くすというのは少し違うのではないかと思う。ジャニーズに愛着を持っている所属タレントのことを考えると何とも言えない気持ちになる。

 

学生の意見が分かれる背景を分かりやすく述べたのが上記の回答です。筆者も同じような意見で、性被害を受けた被害者とジャニーズにプライドを持っていたタレント、どちらのことも考えると何とも難しい問題です。ただ、今回の問題解決のために被害者が求む社名変更は不可欠だと思います。

BBCのドキュメンタリーを機に今年の4月頃から社会で注目を集めました。しかし、この問題は何十年も前から起きていたものでした。筆者らには見えていない側面がいっぱいあるのだと実感させられる出来事となりました。まだ隠れた事実が沢山あるのではないでしょうか。事件に潜む暗部を明るみに出し、正す役割がメディアに求められています。

 

参考記事:

10月3日付 朝日新聞朝刊(東京)2面(総合) 「(時時刻刻)社名維持、一転し廃業 急速なジャニーズ離れ、誤算 東山氏「内向きだった」」

10月3日付 読売新聞オンライン 「ジャニーズ事務所会見 起用企業 改革を注視 実効性見極め 契約更新せず」

10月2日付 日本経済新聞電子版 「ジャニーズ、補償後に廃業 新会社は知的財産を承継へ」