久々に中学生の頃の友人に会い、近況報告をしているときのこと。
「〇〇、ちょっと前に結婚して、もうそろそろ子ども産まれるらしくて、遊べないんだよね」
友人の言葉に驚きました。あれ、もうそんな歳だっけ。大学生で結婚はいくらなんでも早すぎる—と思ってしまった自分ですが、話を聞くと、結婚をした彼女は高校を卒業した後、大学や専門学校ではなく、就職という道を選んだそうです。学生という身分ではもうなくなっていたということを知り、納得しました。
いつかは、結婚して子どもがいる家庭を築く。小学生の頃から、漠然と考えていた自分の未来。そのことを本格的に考え始めるような年齢に差し掛かっていることに改めて気づきます。しかし、いま結婚を考えるような相手どころか、恋人すらいません。結婚に憧れや興味はありますが、どこか他人事のように思っている自分がいます。幼い頃の自分、ごめん。
結婚に興味を持てない人は少なくありません。厚生労働省の年齢階級別未婚率の推移を見ると、2015年までではどの年齢層においても男女ともに上昇傾向にありました。
最近見ているドラマで、結婚した夫婦が喧嘩する場面がありました。原因は、妻が夫に対して違和感を覚えたこと。夫が好きなことに変わりはないけど、結婚して「夫」という言葉に縛られている彼に嫌気が差してしまったといいます。結婚して意識が変わってしまった「旦那」は結婚する前の好きな彼だったと違う、今は、なんとなく好きじゃないと。最終的にふたりは離婚という道を選びます。しかし、これは前向きなもので、結婚という制度に縛られなくなることで良好な関係に戻れると判断したのです。いわゆる、事実婚という形に収まりました。
結婚という制度に縛られるのが嫌。この言葉を理解することは今の私には難しいです。でも、結婚することで、苗字が変わる、相手と同居する、世帯主というものが生まれるなど、変わるものがたくさんあるということは分かります。ドラマの中で妻が抱いた違和感は、このようなところからなのかもしれません。婚姻届を出したからといって、二人の関係性は変わっていないはずなのに、世間から求められるものが多い。そう考えると、結婚というものは概念的なもののはずなのに、知らない間に、「こうならなきゃ」「結婚したからこうしなきゃ」といった理想像を追い求めてしまうのです。それが負担になってしまう人もいるのでしょう。
近年は、何事にも多様性が認められつつあるように思います。結婚についても同様です。同性婚を認めようという動きがあります。一組の男女だけが結婚できるという概念が取り払われる日も近いかもしれません。「結婚」にも多様な形があります。ドラマの夫婦のように、事実婚という選択肢もあれば、世間的にはあまりよく思われていませんが、別居婚という選択肢もあります。歴史をもっと遡れば、平安時代は通い婚が主流でした。
お互いが幸せになれるのであれば、どんな形であってもいいのではないかと思います。多様な結婚が認められる世の中になることを願うばかりです。
参考資料
2023年9月4日 日経デジタル「30代男性の未婚率、17〜76% 所得で最大4倍の差」
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2825L0Y3A820C2000000/?type=my#QAAUAgAAMA)
最終閲覧:2023-09-08
厚生労働省 「図表1-1-8 年齢階級別未婚率の推移」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/backdata/01-01-01-08.html)
最終閲覧:2023-09-08