開かずの踏切、ついに開く?

新年度が始まり、長い春休みが明けて久しぶりに学校に行く大学生も多いのではないでしょうか。筆者も先日、2か月ぶりに電車で学校に行きました。乗車してしまえば、目的地に着いてしまう。遅延したら証明書まで出してくれる。利用者に何とも至れり尽くせりです。

一方、沿線周辺を利用する人にとって困った事態が多々あります。春休みにツーリングに行った時の出来事です。普段通らない踏切で電車を6本待ちました。時間にしたら5分も経っていないでしょう。しかし、体感的には十数分経ったような気がしました。

国土交通省は12日、1時間のうちに40分以上閉まったままの「開かずの踏切」や歩道幅が狭いなど、改良すべき踏切を58か所指定しました。鉄道会社と自治体には連続立体交差点や踏切内の歩道拡幅、歩道橋の設置など安全対策を採るように期限付きで義務付けられるようです。

指定された全ての踏切で安全対策が施されれば良いのですが、簡単には解決出来ないでしょう。これまでにも国交省は安全性に問題がある踏切として1960か所を指摘していましたが、約1300か所が手つかずのままでした。安全対策には費用も時間もかかり、負担が大きいことが理由に挙げられます。また、大掛かりな工事の場合は計画を作るだけで、まずは良いようです。

利用者の利便性を高めることも重要ですが、沿線周辺の住民や利用者の協力、理解があっての鉄道サービスである以上、そのような方々の安全で安心できる生活を保つことも重要です。国土交通省や鉄道会社、自治体の努力は当然のことながら、工事期の大幅な列車本数の削減や運賃の値上げなど、利用者にもある程度の負担を強いるのも一つの方法かもしれません。

参考記事:

13日付 日本経経済新聞 12版 34面 『危険踏切58ヵ所 初指定』

同日付 読売新聞 13版 35面 『「開かずの踏切」58か所指定』