まずは人間としての成長を

本日4月8日は花まつりです。釈尊降誕会(しゃくそんごうたんえ)とも呼ばれており、お釈迦様の誕生を祝う行事です。お釈迦様が生まれたとき、祝福するかのように天から甘露の雨が降ったそうです。それになぞらえ花まつりではお釈迦様の像に、甘露の雨を模した甘茶をかける儀式を行います。私も高校で体験しました。当時はそんな逸話も知らず、こんなものかけて良いのかと思っていました。

そんな仏教の教えに「四苦八苦」という言葉があります。八つの苦によって人生は思い通りにならないとお釈迦様は説いています。その一つに「五薀盛苦(ごうんじょうく)」があります。これは心身を思うようにコントロールできない苦しみを言います。

またしてもスポーツ界に思い通りにならない出来事が起こりました。男子バドミントン界期待の星、桃田賢斗選手(21)、田児賢一選手(26)が裏カジノで賭博をしていたことが発覚しました。日本バドミントン協会は桃田選手をリオデジャネイロ五輪代表に推薦しないことを決めました。

今回の騒動から、筆者はスポーツ選手の心の未発達が顕著に表れていると思いました。成績を出すことが第一になり、青年期から世界で活躍できるだけの身体能力や競技力、また勝負に必要な精神力を鍛えることにばかり注力し、心が十分に成熟していないのです。

そして、これはスポーツに限ったことではないように思います。学業や仕事でも成績や点数ばかり気にするようになった昨今。そのようなやり方は評価を受ける側としても結果が目に見えて分かるので都合がいいかもしれません。

しかし、目に見えない心の成長、人間としての成長も重要ではないでしょうか。特に少年期、青年期といった成長過程にある子どもたちには両者をともに教えてあげることが必要だと感じました。

高校では空手道部に所属し、部活三昧だった筆者です。翻って私自身の心は如何なものかと自問自答しようと決意させる花まつりであります。

参考記事:

8日付 朝日新聞 朝刊 13版 1面 「賭博 桃田選手五輪消える」

同日付 読売新聞 朝刊 13版 37面 「桃田選手 リオ出場せず」

同日付 日経新聞 朝刊 13版 39面 「バド2選手 聴取検討」

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