「食物アレルギー、児童生徒52万人 公立校調査、9年で12万人増、アナフィラキシ―5万人」(30日付 朝日新聞朝刊一面)
今日の朝刊の見出しを見て、その数字に驚いてしまいました。少子化が進んでいるにもかかわらず、患者数は大きく増加しているからです。2004年と22年のデータを比較すると、児童生徒のアレルギー患者数は約33万人から52万人と1.5倍に増えています。それだけでも驚きですが、全体に占める比率は2.6%から6.3%と倍以上になっているのです。また、命に関わる激しいアレルギー症状「アナフィラキシー」を起こしたことのある児童数も1万8000人から5万2000人ほどに増えており、事態の深刻さが伺えます。
食物アレルギーとは、本来は体を異物から守る免疫が特定の食べ物によって誤作動を起こし、蕁麻疹やかゆみ、嘔吐などで体に不利益を及ぼすことを言います。その原因や、反応自体のメカニズムが知られている一方で、治療法は確立されておらず、子供の患者数が増加していることへの確たる原因もわかっていません。しかし、引き金となる食材を口にしなければ症状は出ません。このような現状を踏まえ、子供に向き合う保育所や学校には、対策を徹底してもらいたいものです。
このように子どもとの関わりが強いイメージがある食物アレルギーですが、実は突然発症するケースもあります。成長してから新たに起きることもあるのです。
■突然発症する「大人の食物アレルギー」とは?
筆者は蕎麦のアレルギーを突然発症しました。幼少期から大好物の一つでよく食べていたのですが、小学校中学年の頃に突如として、食べると気持ち悪くなるようになってしまったのです。すぐに血液検査を受け、アレルギーだとわかりました。大人になって治っているかどうかは未だに確認できておらず、蕎麦は口にしていません。
筆者のケースが当てはまるかは定かではありませんが、このような大人になってから発症する食物アレルギーの原因の多くは遺伝、もしくは生活習慣にあるようです。例えば、ゴム手袋にはラテックスという成分が含まれています。医療従事者のようにゴム手袋をつける仕事をしていると、それが日常的に体に取り込まれます。それが一定量を超えると、バナナやアボカドなどラテックスに似ている成分が含まれている果物を食べたときに、反応を起こすことがあるそうです。このような組み合わせは無数にあります。(詳しくは:大人の食物アレルギー “意外な原因と組み合わせ” 対策は? – NHK クローズアップ現代 全記録)
原因はさまざまですが、誰でも突然発症する可能性があるため、食物アレルギーは決して他人事ではありません。事前に予防することは容易ではありませんが、現状を踏まえ食物アレルギーに対する知識を身につけ、対応策への理解を今以上に深める必要があるでしょう。
参考記事:
・食物アレルギーの子ども52万人超 前回調査より12万人増の原因は:朝日新聞デジタル (asahi.com)
・学校でアレルギー、進む訓練・募る不安 エピペン注射練習/「給食時手いっぱい」:朝日新聞デジタル (asahi.com)
・食物アレルギー、なぜ起こる? 離乳食や肌荒れと関係は:朝日新聞デジタル (asahi.com)
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