この事務所所属だから。その考え、誰かを傷つけていませんか?

突然ですが、皆さんは音楽を聴きますか?好きなアーティストやアイドルはいますか?私は、聞かない日はないくらい音楽が好きで、ライブにいく事もあります。

音楽がなくても生きていけるし、ライブがなくても日々を楽しく過ごすことはできます。でも、音楽という存在があるだけで少し元気になれる。ライブというイベントがあるだけで、普段の日常生活に特別な何かがプラスされて少しばかり嬉しくなる。アーティストやアイドルはそんな喜びを生み出して私たちに届けてくれる、そんな存在だと考えています。

もし、大切で大好きなアーティストやアイドルが何かしらの形で被害を受けていたことを知ったらあなたはどう思いますか?きっと多くの人が悲しむに違いないでしょう。そしてその加害者が、彼らにとって恩人ともいう人だったら?

今話題になっているジャニーズ性加害問題はまさにこのような状況であると思います。ジャニーズに所属しているアイドルグループの一つが好きな私にとっても、このニュースは衝撃でした。自分の好きなグループも被害にあっていたのかもしれないと思うと心が痛くなりました。

しかし、テレビや新聞で見るニュースのなかで被害者のことに触れるものは少しずつ減ってきているようにも思います。被害を受けた人の声がないわけではありませんが、現社長や加害内容などにフォーカスが当たりがちな気がします。

この報道がされてから、私はTwitterで「#ジャニーズ不買運動」というハッシュタグを目にしました。ジャニーズ事務所の所属タレントが起用されたCMを標的に、スポンサー企業の製品購入をやめるように訴えているのです。これを見た率直な感想は「どうしてそんなことをするのだろう」というものでした。

確かに、性加害というよくないことを事務所がしてしまった事実はあります。事務所が信頼を失うことはあるかもしれません。しかし、その被害者のなかには所属タレントも含まれるのです。そうした人々は任せられたCMを精一杯務めているのではないでしょうか。また、この不買運動ではそのCMで扱われている製品を売り出している会社にも被害が及びます。製品イメージにぴったりだと起用したタレントがジャニーズ所属であったために、売り上げが大幅に落ちることもあり得えます。事務所にお金が入らないようにしたい。そのような思いが結果としてタレントや他の会社を傷つけることに繋がってしまうのです。

性加害があった事務所に所属しているから。

そのような理由で偏見を持つのは違うのではないかと思います。彼らはアーティストとして、多くの人に感動を与え、日常にちょっとした幸せを運んできました。それだけは紛れもない事実なのです。

報道の表面的な部分にばかり囚われていては、見落としてしまう事実が隠れてはいないでしょうか。