コロナ禍の大学生活 サークルを振り返る

大学4年の3月。民間企業に就職する筆者は、4年間を過ごした部屋を片付けて、引っ越します。長らく開けていないダンボールからは、サークル勧誘のビラがたくさん出てきました。入学式後に大学構内で配られたものです。

 

振り返ると、1年生の時はたくさんのサークルを覗きました。サッカーやバドミントン、軽音楽、ボランティアサークルまで様々です。2019年に入学した筆者は、1年目は対面の授業とサークル活動ができました。新入生の歓迎会は「新歓」と呼ばれ、活動内容を説明されてからご飯を食べに行くのが定番の流れだったように感じます。

一部では、節度を超えた新歓も問題になっていました。新入生の多くは未成年ですが、お酒を飲むように勧められたり、断りづらい雰囲気で自分から飲んでしまったりする学生もいます。また、飲食にかかる費用を上級生が負担しようするあまり、学生同士で金銭トラブルになった例も耳にしました。

2020年3月頃からはコロナウイルスが世界的に流行し、2年の時はサークル活動どころかキャンパスにも行けない年となりました。各サークルはtwitterやzoomなどを活用して、オンラインで新入生を集めようと苦心しましたが、入部者は少なかったように感じます。対面で活動ができなかったことが原因だったと感じます。

3年次の2021年4月。キャンパスの入構制限も少しずつ解除されて、サークル活動が再開されてきたように感じます。大学によって大きな違いがありましたが、早大や青学はサークル活動の再開が早かったように感じます。画面越しでしか知らなかった同級生と初めて会うことも多く、止まっていた時間が再び動き出したような空気がキャンパスを包んでいました。一方、学生数が多い明治大や東洋大は学生証を提示しなければキャンパスに入れない仕組みにするなど、大学間の移動も制限されました。図書館の相互利用なども一時できなくなりました。

2022年は大きな制限もなく、サークル活動できる大学が多くなりました。そこではマスク着用や手の消毒など、自発的に感染防止対策をする学生がほとんどです。

 

現在、筆者は新居に向かうために関西方面に向かう高速バスに乗っています。後ろの座席には、高校の卒業旅行と思われる男子3人組。前の席には、早大の出版サークルが作成する情報誌「マイスルトーンエクスプレス」を読む男性もいます。高校を卒業した4年前を思い出しました。関東では桜が咲き始め、春の暖かさも感じられます。

筆者も4月から社会人。気を引き締めて頑張ります。

 

参考記事:

16日付 読売新聞朝刊(埼玉13版)29面「コロナ禍乗り越え巣立つ」