どうする就活?

私は今年4月から大学3年生になります。大学のキャリア支援センターやすでに就職活動を終えた学生からのセミナーのお知らせは絶えません。4年間の学生生活の折り返し地点に達したと思えば、今度は就活が始まるのです。

大学3年になると、研究室やゼミに属し、学びもますます高度になります。それに加え、サークルなどの課外活動でも主要な役割を担うようになるのです。これと同時に、就活を進めることは、学生にとって身体的にも精神的にも大きな負担になるはずです。また、大学在学中に留学する場合には、就活の時期に配慮しなければなりません。

それでは、なぜこんなにも就活を急がなければならないのでしょうか。理由の一つには、新卒一括採用があります。日本では、在学中に就職活動を終え、大学を卒業することが一般的です。とくに、文系の学生には、大学院に進学するという道すらも残されていないように感じます。「文系で院に行ってもね」と言われることもあります。

新卒一括採用であるがゆえに、学生たちは後れを取るまいと、早い段階で準備を始めます。そして、就活の早期化は加速していくのです。

ここまで就活が学生生活に食い込めば、真の「ガクチカ」は就活であるという事態になり得るでしょう。皮肉なことです。コロナ禍世代は、学校での活動や海外渡航を厳しく制限されてきました。ようやく制限が緩和され、コロナ以前の状況に戻りつつあるというのだから、若者が学生生活を満足して送れるようになることを願います。

参考記事:

3月2日付 読売新聞朝刊(愛知13版) 3面(総合)