9日は成人の日。昨年の民法改正の施行を受け、今年は18、19、20歳、合計341万人が同時に成人を迎えるという珍しい年になりました。そんな節目の日に、改めて大人になるということについて考えてみようと思います。
筆者は今21歳。後輩たちの晴れ姿をSNSで見て、去年の成人式を思い出しました。久しぶりに地元の同級生に会える機会というくらいで、ほとんど心境に変化はありませんでした。あれから一年、依然として大人の仲間入りをした実感が無いにも関わらず、一挙に三歳下までもが成人になってしまい、なんだか焦りを感じてしまいます。
いまだに金銭面、生活面共に親に支えられ、筆者の感覚としてはとても自立しているとは言えません。一人暮らししている大学の友人、すでに仕事をしている友人を見ると、やはり差を感じます。だからこそ、就職先を見つけ、早く社会人の仲間入りをしなくてはと思っていました。
「大学はストレートで卒業するの?」
年末、祖母の家に行った時に、伯母さんからそう聞かれました。海外へ留学したり、休学して何か別のことをしたりしないの?という意味です。就職か大学院進学しか考えていなかっただけに、その問いは衝撃的でした。
自立することを優先し、就職という道に漫然と進んでいたことに気づかされました。同じ大学の同級生にも、海外留学をしている人がいれば、休学して旅している人もいます。いつまでもモラトリアム人間でいるわけにもいきませんが、環境が許せば、少し寄り道するのも悪くないかもしれません。それに、結果的に同じ進路を歩むとしても、別の選択肢を知った上で選ぶことには大きな意味があるでしょう。
筆者にとっての大人とは、「自主的に行動し、その行動に責任を持てる人」です。必ずしも就職を急ぐ必要もありません。今しかできないことと自分の将来像を、春休みにもう一度考えてみようと思います。
参考紙面:
9日付 朝日新聞朝刊(埼玉13版)27面(社会)「『成人式』やっぱり20歳?」