月額1000円程度で数千万曲が聴き放題。このような音楽サブスクは、とくに若い世代に深く浸透しつつあります。大学生の筆者も音楽サブスクを利用しています。通学時間にお気に入りの曲を聴いたり、家でリラックスするときに音楽をかけたり。今では、日々の生活に欠かせないものです。
音楽サブスクは、CDなどのオーディオレコードに代わって音楽サービスの主流となるでしょう。そんなサブスクは、私たちの音楽との出会いにどのような変化をもたらすのでしょうか。
音楽サブスクは、私たちが触れる音楽の世界を大きく広げる力を持ちます。ジャンルの壁、時代の壁を取り去ることができるのです。サブスクで楽曲を聴いていると、AIで自動的に似た楽曲やおすすめの楽曲が示されます。そのなかには、これまで自分が聴いていた曲のジャンルや時代とは異なるものも含まれているのです。音楽サブスクを利用していた当初は、Popしか聴いていなかったのに、今ではDanceにR&BにSoulまで楽しむようになりました。曲のジャンルを意識することもほとんどありません。また、家で音楽をかけていると、母から「それ知ってる。昔流行ってた曲だよ」と声をかけられることもあります。まさにジャンルも時代もボーダーレスなのです。
さらに、テーマに沿って楽曲を集めた「プレイリスト」と呼ばれる機能もそれに拍車をかけています。そのときの気持ちやムードにあった音楽を簡単に聴くことができます。そこで新たな音楽と出会うことができるのです。また、自分のお気に入りの曲の詰まったプレイリストを友人や家族と共有して聴くこともできます。
一見無機質なものと思えるような音楽サブスクが、実は人や新たな音楽とのインタラクションを生み出しているのです。
音楽サブスクに加え、ソーシャルメディアも壁を取り去るのに大きな役割を果たしています。InstagramやTikTokでは、膨大な数の動画が共有されています。動画には楽曲が利用されることも多く、動画が「バズる(広く拡散される)」ことで楽曲がヒットすることもあるのです。
技術の進歩によって、私たちの音楽の楽しみ方はより豊かになったのではないのでしょうか。音楽サブスクで気軽に楽しむもよし。熱気に包まれたライブに行くもよし。ゆっくりしながらCDをかけるもよし。そのときどきの気分に合わせて楽しんでいこうと思います。
参考記事:
8日付 朝日新聞 The Asahi Shimbun GLOBE