ひとみで見つめましょう

くりくりした瞳、思わず触りたくなってしまうほっぺ、黄色いボディー。そう、ピカチュウです。今年で「ポケットモンスター」の誕生20周年になります。ゲームのヒットを受け、97年にテレビアニメが始まり大人気キャラクターになりました。98年にはアメリカ、オーストラリアに進出し、世界で愛されています。市場規模は世界累計で4.6兆円以上。今年2月3日にはこれまでのピカチュウを一新し、ピカチュウが名探偵になるゲームソフトが配信されました。はやり廃りの激しいゲーム業界に挑戦し続けています。

ひとつの魅力、得意技を活かして世界へ挑戦していくのはポケモンだけではありません。日本には素晴らしい得意分野があると今朝の記事でわかりました。

はくちょう、てんま、ぎんが、あすか、すざく。そしてひとみ。何の並びかわかりますか。これらは日本のX線天文衛星の名前です。17日午後5時45分、X線天文衛星「アストロH」を搭載したH2Aロケット30号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。ちなみに日本初の打ち上げは1979年。今回の衛星で6代目となります。

「アストロH」というのは天体が出すX線などを観測する展望鏡と言われていて、80億光年先もの遠方をこれまでの衛星を超える能力をもって観測します。こういったX線天文学は日本の得意分野です。衛星を打ち上げるごとに新技術に挑戦しています。今回の目玉は何といっても世界初の衛星観測でしょう。「X線マイクロカロリメータ」という技術を使う分光観測で30倍の高精度で調べられます。これによりブラックホールの新たな謎の解明に近づくことができるかもしれません。

ピカチュウはそのかわいらしい瞳でエンターテイメント業界を見つめてきました。小さいながらもすぐれたひとみを持ち、まわりを見渡す。すると更に進化し挑戦し続けているものに出会えるのかもしれません。
参考記事:18日付け 朝刊各紙「X線天文衛星 打ち上げ成功」
17日付け 読売新聞夕刊 東京4版 6,7面 ポップスタイル vol.485「ポケモン誕生20年」