北朝鮮、ミサイル発射

2006年7月、北朝鮮が「テポドン2」など計7発のミサイルを日本海に向けて発射しました。この時私は小学生。「今日はミサイルが飛んでくるらしい…。」同級生の間で話題になり、不安になった私と妹はなぜかヘルメットを被って朝から過ごしていました。今、思えばお茶目なエピソードです。

北朝鮮は7日午前9時半ごろ、北西部の平安北道・東倉里から「人工衛星の打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイルを南に向けて発射しました。4回目の核実験からわずか1カ月後のミサイル発射。「核ミサイルで体制を守る」という北朝鮮の揺るがない国家戦略を浮き彫りにされました。

各紙の社説では安保理の制裁を求めています。読売新聞と日本経済新聞の社説では、地域の安定を揺るがす北朝鮮に対する危機管理体制を強化させることについてもふれていました。

私は各国の対応に注目しています。日本では安倍首相が北朝鮮に対する独自制裁の強化を検討するよう関係閣僚に指示しました。安保理の制裁決議案を見極める従来の方針を転換し、独自制裁を先行させる姿勢です。次に経済面で北朝鮮の生命線を握る中国はどうでしょうか。制裁強化への慎重姿勢を崩していないようです。アメリカは大統領候補者によって北朝鮮への姿勢が違ってくるのでこれから特に関心を払いたいものです。共和党候補による第8回テレビ討論会では、発射台のミサイルを先制破壊する主張など強硬論が目立ち、中国に関与を強めるよう求める声もありました。

朝日新聞では日朝国交正常化交渉で政府代表を務めた美根慶樹氏のコメントが掲載されていました。度重なる北朝鮮の暴挙に同じ対応を繰り返すだけで済ませてこなかったか。事実を直視し、これまでの対処方法をふり返ることが必要と指摘しています。幼い頃の私のようにヘルメットをかぶることで自分の安全は守れません。自国に守ってもらうしかないのです。もう北朝鮮の核放棄は難しいかもしれませんが、使用させなかったり開発を遅らせたりすることはできると信じています。各国が打つ手に期待を寄せるしかありません。

 

参考記事:

北朝鮮ミサイル発射 各紙関連記事

朝日新聞 東京6面 国際面 「北朝鮮といかに向き合うか 日米韓の識者に聞く」