かつては、駅前や橋の下などでよく見かけたホームレス。治安などの管理によってか、最近はあまり見かけなくなりました。今日は、神奈川県川崎市のホームレスの自立支援の取り組みについて考えたいと思います。
川崎市はかつて1千人以上いたホームレスを取り組みによって半減させたそうです。その取り組みの一つである自立支援センターは、入所者が約80人おり、技術的な支援から、精神的な支援まで幅広く行っています。技術的な支援としては、日用品の提供から履歴書の書き方まで、精神的な支援としては施設長が入所者の話を聞き、その人個人にあった支援をしているそうです。この取り組みによって、就職先を見つけ自立する人もいるなか、3ヶ月間の入所期間後に約2割が再び野宿生活に戻ってしまいます。野宿生活は地域の治安だけでなく、ホームレスの加齢や病気による追加の支援なども必要となります。
人口減少や高齢化などによる労働人口の減少、高齢化社会による年金出費の上昇など、様々な形で働く意欲を引き出そうとしている今日の社会。日本経済新聞では、「60歳代を社会支える側に」とあり、高齢者の雇用促進についての記事もありました。もちろん、健康面で支障のない高齢者にも働き続けてもらうことも大切です。それと同時に、やはり、年齢的にも精神的にも働ける人々に働く機会を提供することも必要です。このような支援センターの努力が、ホームレス一人一人の生活面や精神面での向上、また生活保護の削減につながると考えます。
参考にした記事:
1月25日付朝日新聞 地域面「働く意欲どう引き出す」
1月25日付日本経済新聞 経済教室