今年から一般開放、ブルーハウスと呼ばれる韓国大統領官邸に訪れてみた

アメリカのホワイトハウスにちなんで「ブルーハウス」と呼ばれる韓国の大統領官邸。尹大統領が大統領府を青瓦台から別の場所に移転したために、この官邸が一般に向けて開放されるようになりました。

韓国人は事前に予約する必要がありますが、外国人は予約なしでそのまま入ることができます。(※入る際にパスポートを見せる必要あり)

夏休みだったこともあり、平日にもかかわらず多くの人が押し寄せていました。見学者のほとんどが韓国人で外国人はあまり見受けられず、特に高齢の方が多い印象でした。なかには団体で予約している方もおり、韓国人ならば一度は訪れてみたい場所のようです。今回は時間がなかったので本館のみ訪れました。

中に入ると、大きなシャンデリアの飾られた壮大な中央広間から奥に広い階段が伸びていました。この広間では、人気韓国アイドルBTS(防弾少年団)の曲を古風にアレンジした曲が流れており、韓国アイドルの国内での役割の大きさを感じさせられます

 

◆忠武室

大規模な人員の任命状を授与したり、会議をしたりする空間。外賓が来た際に晩餐や公演をするなど多目的空間として使われました。

◆仁王室

他の部屋とは異なり、この部屋は西洋式で飾られています。懇談会や昼食会、晩餐会が行われる小規模会場、そして外国首脳訪韓時に、共同記者会見をする場所として活用されました。

◆大統領執務室

本館の一番の核となる空間で、かつての大統領はここで業務をしていました。大統領府本館の総面積は、現在の尹大統領執務空間面積の約6倍広いそうです。

◆接見室

大統領と外賓が会う場所として使われました。韓国的な雰囲気が漂っています。東側の壁は黄金色の「十長生文様図」で飾られています。十長生とは、鶴、鹿、亀、日、雲、石、水、松、竹、霊芝の10種類の物象を集めて長寿を願う、不老長生の思想のことです。その他にも木の窓枠と扉の上に韓紙が使われているなど韓国的な雰囲気があります。

◆大統領妻の執務室

夫人が使っていた空間で、外賓に会う接見室として使われ、歴代夫人たちの肖像画が展示されています。下の写真を見てもわかるように、実は韓国史上初のファーストレディーは韓国人ではありませんでした。初代大統領である李承晩の夫人は、オーストリア人のフランチェスカ・ドナーという方で、李承晩が留学をしていたときに出会ったそうです。韓国では、度々ファーストレディーに注目が集まることもあります。ここに並ぶ歴代の大統領夫人も著しい存在感を放っています。

今回は時間の関係で本館にしか訪れることはできませんでしたが、この広い敷地の中には他にも大統領の自宅である官邸や迎賓館などがあります。本館だけでもゆっくりと全部回るのに一時間近くかかったので、余裕を持って訪れることをおすすめします。

※写真は全て筆者が撮影(2022年8月29日)

 

参考資料:在日本大韓民国民団「「十長生」をテーマに 高麗美術館が文様企画展」

参考記事:6月5日 朝日新聞デジタル「迎賓館にドレスルーム…ソウルの新観光地は大統領府 「青瓦台」開放」

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