大学1年生の夏、大学の正門前を一人で歩いていると若い女性2人に声をかけられました。「学生アンケートを行っているのですが、協力してもらえませんか?」レポートや論文作成のためにデータが必要なのだろうと思い、快諾しました。しかし、アンケートという割に筆者が何を答えてもメモをとったり録音したりする様子がありません。疑問に思っているうちにアンケートが終了し、彼女らが所属する団体の紹介が始まりました。世界平和統一家庭連合、旧統一教会でした。
「私たちはボランティア活動や読書会を行っている団体で、北大生も多く参加しています。もし良かったら一度集会に来てみませんか?」筆者は当時から旧統一教会について知っていたので断って帰ってくることができましたが、もしも知らなかったらどうだったでしょう。オンライン授業が半分以上を占める中で学生同士が交流できる場は貴重だと考え、集会に足を運んでいたかもしれません。
大学周辺では、宗教勧誘が多発しています。その中には、危険なカルト宗教も含まれます。宗教は人生を豊かにし得るものですが、カルト宗教は違います。詐欺や脅迫などの違法行為によって信者やその周りの人々の人生を破壊するものです。
大学生をターゲットにした宗教勧誘は、一人でいる人がターゲットになりやすく、イベントの告知やアンケートを装って行われる場合が多いという特徴があるそうです。
筆者は1人で寂しげに歩いていることが多いせいか、大学に入学してから宗教勧誘に4回も遭遇しました。1回は日本で、3回は留学先の韓国でです。アンケートを装ったものや、就活イベントへの参加を呼び掛けるものなどがありました。何度も出くわしているので、すぐに宗教勧誘だなということは分かるのですが、断るのが苦手で毎回最後まで話を聞き、連絡先を渡してしまっています。
筆者のような対応は間違っています。今のところなにも被害はありませんが、カルトの可能性もある宗教団体に個人情報を渡してしまったことは非常に悔やまれます。旧統一教会の勧誘にあった際も、SNSのアカウントを教えてしまいました。少しでも話を聞いてしまうと断るのが難しくなるので、宗教勧誘のパターンをあらかじめ知っておき、声を掛けられたらすぐに断るのが一番良いのでしょう。4回とも「今少し時間良いですか?」と聞かれたので、その時点でごめんなさい。忙しいです。と断れば良かったなと思っています。
今の大学生は、カルト宗教により起こされた大きな事件を直接体験したことがありません。オウム真理教による地下鉄サリン事件も、旧統一教会による霊感商法や合同結婚式が大きな騒動となったのも、全て私たちが生まれる前の出来事です。そのため、カルト宗教に対する知識や警戒心が不足しているのかもしれません。
旧統一教会に対する注目が再び集まっている今、大学生活やその後の人生が狂わされる最悪の事態を防ぐために、カルト宗教について理解し警戒を強める必要があると思います。
参考記事