昨日はクリスマスイヴ、皆さんはプレゼントをもらいましたか。残念ながら、筆者は貰えないどころか、サンタさんの巡回路から外されてしまったようです。貰った方も貰えなかった方も。今日はいつもお読みいただいている皆さんにあらたにすから遅れながらも、プレゼント代わりの投稿をお届けします。プレゼントとは呼べない内容ですが、今日は来年度の予算案について考えていきたいと思います。
24日、政府は総額96兆7218億円に及ぶ2016年度予算案を閣議決定しました。一般会計の総額は15年度当初予算比で0.4%増となり、4年連続で、最大を更新しました。社会保障分野では、伸びを抑えたものの、保育所整備や待機児童対策に6006億円確保するなど、膨張は止まらず、国際情勢の変化に伴い防衛費や三大都市圏の環状高速道路の整備、河川や道路のなどの防災、老朽化対策などに用いる費用がかさみ、他分野でも軒並み増額となっています。歳入面では、16年度は企業の業績改善を受け、税収を昨年より3兆円多い57兆6040億円と見込んでいます。日銀からの納付金を合わせた約62兆2900億円が国に入ってくることになりますが、これでは予算総額の6割程度にしかならず、新規発行は減少したものの、43兆4320億円の国債発行をする予定です。約1000兆円に及ぶ国の借金を抱える中、財政健全化と成長の両立は可能なのか注目が集まります。また、現役世代と高齢者の社会保障の負担格差の是正や働き方の変化の伴う税制の改正などは手つかずのままで年を越すこととなり、予算を通じ、政権が目指す今後の展望が見えるだけでなく、政権が抱える課題も浮き彫りになっているといっても過言ではないでしょう。
今日はこの予算案を受け、思うところを述べ、あるべき財政の姿を筆者なりに考えていこうと思います。まず言えることとして、莫大な借金を抱えていながら、自分の収入を超える買い物をするような生活をしていていいのかということです。国の財政を生活に例えることは無理があるかもしれません。ですが、現在の日本はそのような状態であるのが現実です。国防や都市圏の道路網の整備や河川や道路の改修は日本全体や地域での安全を維持することにもつながりますし、TPP関連や訪日外国人に対応した観光戦略などの経済対策は、民間の経済振興につながり、最終的には国収入となるため、投資とみることもできなくはありません。しかし、それを繰り返してきた結果がこの財政赤字なのではないでしょうか。公共事業などのバラマキを通じ、国が音頭を取ることで経済を活性化させ、そこで集まった税をまたバラマキの繰り返し、こんなことを続けていれば、予算が足りなくなって然るべきだと感じずにはいられません。毎年大きく成長を続ける高度成長期のような財政のモデルを現代に合わせ、大きく転換する時期はもうそこまでやってきているというセリフは聞き飽きました。今がその時です。
転換する案としては、以下の通りです。国が投資すべき部門を国防やインフラ整備、公教育や最低限の社会保障にとどめ、民間資本にその他の分野を担ってもらうような方針に転換していくことで、国は税収の多くを借金返済に回すという、今まで以上の抜本的かつ、大胆な規制緩和が求められるのではないでしょうか。民間企業が参入できる分野が拡大すれば、雇用や税収拡大につながりまし、コストの支払いの必要が発生したとしてもサービスを維持できるものも多いでしょう。そして最後に、我々一般の国民も財政出動による目先の好景気になびくことなく、国が健全な状態に向かうために、多少なりとも我慢を強いられたとしても、それを受け入れる必要性があるとも感じています。確かに今の高齢者の現役時代との差は大きいはずです。しかし、そこに文句言い、いつまでも改善の道の前で立ち止まっていても、借金地獄は変わりません。ここは一つ、国民全体でいばらの道を歩むことの必要性を感じずにはいられません。未来の現役世代に、国を潰したといわれないために、我々ができることはそれに尽きるのではないでしょうか。
財政再建こそ、現代から未来への唯一のプレゼントです。
参考記事:25日付朝刊 各紙関連面