今朝、「ダチョウ倶楽部」のメンバー、上島竜兵さん(61)が自死したというニュースが飛び込んできました。あまりにも早い突然の死に、ショックを隠せません。
相次ぐ芸能人の自殺。そのニュースが出るたびに問題視されているのが、メディアによる自殺報道の仕方です。WHOにより、自殺報道ガイドラインが設置されています。やってはいけない、注意するべき事項として、いくつか挙げられています。
・自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
・自殺をセンセーショナルに表現する言葉、よくある普通のこととみなす言葉を使わないこと、自殺を前向きな問題解決策の一つであるかのように紹介しないこと
・自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
・写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いないこと
このようなガイドラインがあるのにも関わらず、街の人にインタビュー、故人の家から中継など、完全にこのラインを無視した報道をするメディアがあるのも事実です。
特に、芸能人のような世間一般に知れ渡っている人物の自殺は大きな影響を及ぼします。一般人からみてキラキラしている芸能人でさえ、自分と同じような、またはそれ以上の苦しみを抱えていたのだ、という安心感のようなものを抱きます。あの人でさえ自殺を選んだのだから、自分も自殺を選んで大丈夫といったような自己肯定にも繋がりかねません。
自殺を、誤った行為だとは決して思いません。人には人それぞれの悩みがあります。他者が理解できないような悩み、自分にしか分からない悩み、たくさんあると思います。自分で死を選んだ人たちは、もう死を選ぶしかなかった、頑張り切った結果だと思うのです。その人たちを否定する権利など私にはありません。
しかし、一つだけ言えるのは、死にたくて死ぬ人はいないということです。みんな生きたいはずです。だから、決して自殺報道が自殺を後押しする形にはなって欲しくないのです。マスメディアはいい意味でも悪い意味でも、大きな影響力を持っています。暗い未来ではなく、明るい未来を選択できるような報道の仕方を考えていくべきだと強く思います。
参考記事:朝日新聞 夕刊 6面4版 上島竜兵さん死去
厚生労働省ホームぺージ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/who_tebiki.html