突然ですが、対馬の実家では犬と猫を2匹ずつ飼っています。小学生の頃にはあと2匹いましたが、早くに亡くなりました。現在いるのは柴犬のコロンと雑種犬の茶々(ちゃちゃ)、真っ白な色をしたチロと灰色の毛をまとった夢(ゆめ)の猫2匹です。
動物を飼うようになったのは筆者が小学4年生の誕生日に「犬を飼いたい」とおねだりしたから。散歩やエサやりなどしっかり世話をするなら飼ってもいい。両親と約束をして、家に迎え入れることになりました。
コロンは福岡のホームセンターにあるペットショップで両親が出会いました。沖縄生まれの血統書付き。我が家にやって来たはじめてのペットです。それ以外の、早くに天国に旅立った2匹を含む残りの5匹はもともと野良犬、野良猫でした。コロンの散歩道にいて幼かったから家に持ち帰ったとか、カラスに襲われているのを助けたとか。人から飼ってくれないかとお願いされることもありました。野生に戻すのは可哀想だと責任感の強い親は考えたらしく、あれよあれよという間に増えていきました。
我が家の話を思い出したのは、19日の読売新聞に掲載された記事を読んだからです。『「ふるさと納税で犬や猫救いたい」、想像以上の寄付で財源不足補う…殺処分減へ50自治体導入』という見出しの記事では、犬や猫の殺処分を減らすため、必要な事業費をクラウドファンディング(CF)型のふるさと納税で集める動きが各地の自治体で広がっていると書かれていました。
具体例であがっていたのは高松市。温暖な気候の同市では、野良犬や野良猫の生存率が高くて繁殖しやすいこともあり、20年度の犬の殺処分が全国の中核市で最も高かったそうです。そこで市は昨年8~9月に保護された猫や野良猫の不妊去勢手術の費用に充てるためCF型のふるさと納税を実施することに。最初は目標の100万円を超える239万円、保護施設の整備費などに充てる二度目は1000万円を募り、1954万円が寄せられたと言います。
保健所や一時的な保護施設には、野良犬・猫のほか、飼い主に捨てられたり逃げ出したりしたペットも収容される。訓練を受けて人に馴れれば、新しい飼い主に譲渡される。この際、逃げ出した場合の繁殖を防ぐため不妊去勢手術を受けることが多い。一方、人に馴れなかったり、施設がいっぱいで保護・収容できなくなったりすると殺処分となる。
記事では、殺処分に至るまでの過程についても触れていました。国も殺処分削減を掲げているものの、不妊去勢手術費について国の助成はなく、保護施設整備の補助金も年間予算は全国で総額1億~2億円ほど。財政不足が課題となる中で、ふるさと納税がいかに役立っているのかを感じました。
今となってはすっかり家に馴染んでいる我が家のペットたち。時々、私たち家族と出会っていなかったら、今頃亡くなっていたのかもしれないと思うことがあります。動物の殺処分は他人事ではありません。一匹でも多くの野良犬・野良猫が天国に行かなくて済むよう筆者も社会人になったら寄付しようと思います。皆さんもふるさと納税を利用する際、使い道のカテゴリーを選択することになったら、殺処分ゼロを目指す取り組みがあることを思い出してください。
読売新聞を読む我が家の猫、筆者撮影
参考記事:
2月19日読売新聞オンライン『「ふるさと納税で犬や猫救いたい」、想像以上の寄付で財源不足補う…殺処分減へ50自治体導入』