「有楽町で逢いましょう」。10月31日のあらたにすに投稿されたタイトルです。朝日新聞朝刊の金融情報面「経済気象台」の記事が創生本部へのヒントになるとして、有楽町についてふれていました。私はこのタイトルがとても気に入っています。
なぜなら有楽町は地域とひとりひとりを結ぶ拠点だからです。東京交通会館があり、そこには各地域のアンテナショプだけでなく移住を考えている人への支援活動に取り組むNPO団体もあります。このNPO団体は相談会などを実施し、移住への背中を押してくれるのです。私も大学の勉強でこちらの団体が主催する相談会に参加したことがあります。長野県で新たなスタートを切ろうかと考えている人が対象でした。参加者が、自分のライフスタイルを真剣に見つめなおしていることが印象的でした。まさに「有楽町で逢いましょう」。新たな地で第二の人生を歩もうとする自分を発見できる場所なのです。大きな挑戦でも前向きになれるような気がします。
とはいえ厳しい現実もあります。そんな記事が本日付の日本経済新聞朝刊に載っていました。移住に踏み切ったものの、地域になじめない人が出てきたり、永住の地とはならず、元気に動けなくなると都市部に帰っていったりする「Uターン現象」が起きているというのです。
近い未来、東京圏で介護施設が不足するとして、高齢者の地方移住を促すべきだという提言もあり、政府は地方創生の目玉として考えています。これから本腰を入れていく自治体も増えるでしょう。「移住は手段に過ぎない。老後をどう過ごすか考えるきっかけだ」。同紙の電子版では、この問題に詳しい三菱総合研究所の松田智生主席研究員が指摘しています。
移住を考えるなら、何度も予定地に足を運び、その土地の風習や生活環境に慣れていく過程で、きちんと老後の過ごし方を考えなければいけません。自治体の支援は財政事情で変わってしまうことがあります。そうしたピンチも地域とのつながりがあれば乗り越えらえられるかもしれません。いかにコミュニティーに溶け込むかは重要です。その地域の住民は「よそ者」の受け入れをどう捉えているのかも見なければなりません。地元の人との交流や実際に移り住んだ人と交流する機会が欠かせません。
さきほど紹介したNPOでは、そういった場合の生活相談など、さまざまな形で後押ししています。このような終始一貫したサポートを利用し、一人一人の希望が叶えられる社会になればいいと思います。
参考記事:13日付日本経済新聞朝刊 (東京14版)1面 「人口病に克つ」超高齢化を生きる(2)
13日付 日本経済新聞電子版 「私たちが都会を離れたワケ」