400円をかけて「盛る」女子たちの苦悩

平成の時代、社会現象となった「プリント倶楽部」(通称プリクラ)。プリントシール機(以下 プリ機)は1996~97年頃に第一次、00年代初期に第二次ブームが起きました。その人気は令和になっても衰えず、今も女子高生を中心に多くの女子たちがこぞって愛用しています。

撮った後は落書きをし、プリ帳に貼るというのが定番だった平成初期。現在ではSNSを意識するためか落書きをする人は少なくなり、撮ったプリクラをSNSにあげるのが定番になっています。

時代のニーズに合わせてどんどん変化しているプリクラ。ここで、話題になった、そして現在話題になっているプリ機をいくつか紹介します。

● SUU(スーーー)

2018年に登場した、このプリ機。最大の特徴は何といっても、半透明のシールです。今までにない半透明のシールが可愛い、と女子高生の間で話題になり絶大な人気を集めました。

SUUの半透明シール(筆者撮影)

● アオハル

2019年に登場。撮影場所が広く、大人数で撮るのに最適なプリ機です。また、カメラを自分たちで自由に動かすことができ、高さ・角度・向きを盛れる位置に調整することができます。クラス全員で撮る時などに最適です。

● 猫と彼女

プリクラは一律400円。そんな常識を覆しました。2021年に登場したこのプリ機、なんと500円です。「シール・動画・写り・高画質」の全てにこだわって作り上げられたそう。

それぞれのプリ機で特徴や機能もバラバラ。その中で自分が一番盛れるものを探すのも醍醐味です。

女子高生にとっては400円も割と大きな出費。しかし、なぜ若い女子たちはわざわざ400円も払ってプリクラを撮るのか、その答えは簡単です。「盛れるから」です。目の大きさ、輪郭、など様々なパーツを自分好みに修正することができるのです。もちろん、今の時代スマホ一つあれば、写真を撮ることはできます。しかし、プリクラの盛れ度はスマホのカメラとは比べ物になりません。プリクラの目的は「撮ること」ではなく、「盛ること」なのです。

盛られすぎていて、もはや誰か分からない、なんてこともしばしば。「実際の顔とプリクラ、別人じゃん」そんなことを言っている人に言いたいのです。

「400円も払ってるんだから盛らせてくれ!」

女子たちの心からの叫びです。

 

参考記事: 4日付 朝日新聞 夕刊(愛知4版 1面)令和もプリで思い出!