地方創生って言ったって、じゃ何をすればいいの?

「まち・ひと・しごと創生本部」のウェブサイト。トップページには同本部設置の目的や経緯がこう説明されています。

人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるよう、まち・ひと・しごと創生本部を設置しました。

人口減少や高齢化は最近、どのニュースにおいても登場します。「人口の減少は市場の縮小を招き…」「高齢化によって社会保障給付費は増大し…」といった形で紙面に溢れています。深刻な問題というのは分かる。その危機感から同本部設置に至ったのでしょう。

しかし、解決策の具体的なイメージが沸きません。「各地域がそれぞれの特徴を活かし」「自律的で持続的な社会を創生」する。でも、どうやって─。言うは易く行うは難い。「地方創生」というのが、一過性の流行語に終わってしまう危惧すら感じてしまいます。

思索を巡らす中、創生本部へのヒントとなるような記事がありました。朝日新聞のマーケット面にある「経済気象台」。記者ではなく、各分野で活躍する社外の方が執筆を担当するコラムのような欄です。今朝のタイトルは「有楽町で逢いましょう」。フランク永井の歌謡曲でも有名なこのコピー。実は、元々は有楽町に進出した大阪の百貨店「そごう」のキャッチフレーズだったというのです。

当時1950年代の有楽町は闇市の名残もあり、市民が持つ印象は最悪でした。街並みは廃れ、人は避けていく。そこに目を付けたのが大阪を本拠とする「そごう」でした。「街のイメージアップも兼ねて、東京への足掛かりは有楽町に据えよう」。それから60年、そごうの戦略は実り、都心の一等地は輝き続けています。

地方創生の担い手とは誰なのか。地方だけではない。例えば、企業ができることもある。役割を二極化することはありません。それぞれができることはないのか─。創生本部の手腕に期待しつつ、そう考えてみるのも悪くはないでしょう。

 

参考記事:31日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)金融情報面「経済気象台」